浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0354A01: | を礙んとはかるものあり。義柳和尚。戒學纖路一卷 |
J18_0354A02: | をあらはし。師の許に送りて。可否を斷ぜんことを |
J18_0354A03: | こふ。師一覽隨喜して弘通の利あらんことを證せ |
J18_0354A04: | らる。義柳和尚歎じていはく。都鑑に佛定和尚あり。 |
J18_0354A05: | 正法地におちずといふべし。 |
J18_0354A06: | 智惠光院先住。鐘養密賢上人は。洛東獅ケ谷玄阿和 |
J18_0354A07: | 尚の上足なり。年老て後寺職をときて子院に隱居せ |
J18_0354A08: | られたるが。師住職の後。往生禮讃纂釋を講ぜんこ |
J18_0354A09: | とを。懇望再三なりけるに。師これをうけがひ。す |
J18_0354A10: | なはち開講せられしかば。上人日日席にあづかり聽 |
J18_0354A11: | 聞し。時時聲を上てさめざめとなかれにけり。滿座の |
J18_0354A12: | 人人。けしからぬことに思ひしが。上人いへらく。師 |
J18_0354A13: | の辨才音聲まで。先師によく似給へり。されば先師 |
J18_0354A14: | の講釋をふたたびきくがごとし。このゆえに思はず |
J18_0354A15: | になきぬるなりと。誠に上人老情を感ぜしめられし |
J18_0354A16: | も。師が實德のしからしむるなりとて。きく人たふ |
J18_0354A17: | とみける。 |
J18_0354B18: | 三州吉田。悟眞寺因靜上人。起信論義成を選述し |
J18_0354B19: | て。師の校正をこふ。師一閲していはく。此書古義 |
J18_0354B20: | にもとり。頗る曲説あるに似たり。恐らくは信用の |
J18_0354B21: | 人なからんかと。上人のいはく。われよくそのことを |
J18_0354B22: | しれり。しかれども千歳同調のものあらば。少しく |
J18_0354B23: | 出離に益あることを知らん。是非は見る人に一任 |
J18_0354B24: | す。師慮ることなかれと。その後ほどなく。上人遷 |
J18_0354B25: | 化せられしかば。師その澆末をいたみ。淨土に結歸 |
J18_0354B26: | せしむるの志を感じて。かの門人等が梓行するに任 |
J18_0354B27: | せらる。此書六卷上人の義成にして。舊學のものは |
J18_0354B28: | うけがふべからずといへども。我法に補ひなきにあ |
J18_0354B29: | らずとぞとまうされき。 |
J18_0354B30: | 師學解ある人をみては。殊に崇重吹擧して。寺院に |
J18_0354B31: | 住し。化他の廣からんことをはかり。遊學の僧には |
J18_0354B32: | 衣資を損じて。その草鞋をたすけらるるなんどのこ |
J18_0354B33: | と。あげてかぞへがたし。すべて解行ある僧俗を見 |
J18_0354B34: | 聞しては。歡喜讃歎せらるること。常のことなり |