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J2740 仏定和尚行業記 大察・隆円 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0354A01: を礙んとはかるものあり。義柳和尚。戒學纖路一卷
J18_0354A02: をあらはし。師の許に送りて。可否を斷ぜんことを
J18_0354A03: こふ。師一覽隨喜して弘通の利あらんことを證せ
J18_0354A04: らる。義柳和尚歎じていはく。都鑑に佛定和尚あり。
J18_0354A05: 正法地におちずといふべし。
J18_0354A06: 智惠光院先住。鐘養密賢上人は。洛東獅ケ谷玄阿和
J18_0354A07: 尚の上足なり。年老て後寺職をときて子院に隱居せ
J18_0354A08: られたるが。師住職の後。往生禮讃纂釋を講ぜんこ
J18_0354A09: とを。懇望再三なりけるに。師これをうけがひ。す
J18_0354A10: なはち開講せられしかば。上人日日席にあづかり聽
J18_0354A11: 聞し。時時聲を上てさめざめとなかれにけり。滿座の
J18_0354A12: 人人。けしからぬことに思ひしが。上人いへらく。師
J18_0354A13: の辨才音聲まで。先師によく似給へり。されば先師
J18_0354A14: の講釋をふたたびきくがごとし。このゆえに思はず
J18_0354A15: になきぬるなりと。誠に上人老情を感ぜしめられし
J18_0354A16: も。師が實德のしからしむるなりとて。きく人たふ
J18_0354A17: とみける。
J18_0354B18: 三州吉田。悟眞寺因靜上人。起信論義成を選述し
J18_0354B19: て。師の校正をこふ。師一閲していはく。此書古義
J18_0354B20: にもとり。頗る曲説あるに似たり。恐らくは信用の
J18_0354B21: 人なからんかと。上人のいはく。われよくそのことを
J18_0354B22: しれり。しかれども千歳同調のものあらば。少しく
J18_0354B23: 出離に益あることを知らん。是非は見る人に一任
J18_0354B24: す。師慮ることなかれと。その後ほどなく。上人遷
J18_0354B25: 化せられしかば。師その澆末をいたみ。淨土に結歸
J18_0354B26: せしむるの志を感じて。かの門人等が梓行するに任
J18_0354B27: せらる。此書六卷上人の義成にして。舊學のものは
J18_0354B28: うけがふべからずといへども。我法に補ひなきにあ
J18_0354B29: らずとぞとまうされき。
J18_0354B30: 師學解ある人をみては。殊に崇重吹擧して。寺院に
J18_0354B31: 住し。化他の廣からんことをはかり。遊學の僧には
J18_0354B32: 衣資を損じて。その草鞋をたすけらるるなんどのこ
J18_0354B33: と。あげてかぞへがたし。すべて解行ある僧俗を見
J18_0354B34: 聞しては。歡喜讃歎せらるること。常のことなり

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