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J2740 仏定和尚行業記 大察・隆円 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0353A01: を辨じていはく。諸衲子。はづかに色即是空をしり
J18_0353A02: て。いまだ空即是色をしらずとて。眞空妙有の理を
J18_0353A03: しめし。なほまた省悟の分にては。理悟の凡夫に
J18_0353A04: て。後有を滅せざれば。生死に沈淪すべし。このゆ
J18_0353A05: ゑに。古人も悟後の修行を第一とし給へり。その修
J18_0353A06: 行には。念佛に過たるはなしとて。凡入報土の要法
J18_0353A07: を辨ぜられければ。衲子ことごとく改悔して。師を
J18_0353A08: 拜して日課念佛を誓約しけり。これ師の名望ありし
J18_0353A09: ゆゑに。こころみんと欲して來りしが。たちまち輕
J18_0353A10: 慢の心をひるがへしけるも。法に於て。私なき人人
J18_0353A11: なりけんと。いとたふとし。
J18_0353A12: 天明三年癸卯六月。
J18_0353A13: 惇廟三十三回の御法要。江戸增上寺に於て行はるる
J18_0353A14: がゆゑに。師。献經使の任にあたれり。五月十六日
J18_0353A15: 洛を出でで。六月八日献經拜禮の式をつとむ。例に
J18_0353A16: よりて七月朔日。登城し
J18_0353A17: 台顏に謁し奉り。同八日時服をたまふ。翌九日江戸
J18_0353B18: を發して歸洛せらる。
J18_0353B19: 同六年丙午十一月。關東 御移徙の賀をまうさしめ
J18_0353B20: んとて。師に命ぜられしかば。すなはち參府し。翌
J18_0353B21: 年丁未春。年頭の御賀をかねつとむべきの命いたれ
J18_0353B22: り。このゆゑにかの山に留錫せらる。ときに諸檀林
J18_0353B23: の法將盟約して。同心にはかり給ふことあり。これ
J18_0353B24: 華頂において。頗るさはることあるがゆえに。師一
J18_0353B25: 人これをこばみてしたがはず。寐ざること三晝夜。
J18_0353B26: 遂に師の裁斷道理明白なるによりて。そのことな
J18_0353B27: らざりき。此時生實大嚴寺。圓徹大和尚。師を讃歎
J18_0353B28: して。眞の大丈夫と稱せらる。そのことはばかりあれ
J18_0353B29: ば。別記にゆずりて。ここにははぶく。また
J18_0353B30: 大城にのぼり。 謁を給ひ。時服を拜領せる等は例
J18_0353B31: のごとくなれば。つまびらかにしるさず。
J18_0353B32: 西海學信和尚。京師俊鳳上人。二師ともに傳記あり。相ともに專
J18_0353B33: ら大乘圓頓菩薩戒を光顯弘廣す。小松谷義柳和尚。
J18_0353B34: 同じく弘通せらる。時にこれをこばみて。その弘通

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