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J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0679A01: を用ひぬるはかねをきらひ木魚の音を好むにて稱名
J17_0679A02: をたうとしとするにはあらす又一個の人有龍樹大士
J17_0679A03: の宣へる欝鉢羅華比丘尼の勸進にや天癸生せる頃よ
J17_0679A04: り笄に及へる處女及盛壯の寡婦をあまた剃髮染衣せ
J17_0679A05: しむるやからあり佛在世にて阿姨出家を願ひ給しか
J17_0679A06: と佛許し玉はす是正法减滅の難をおそれ玉ふてなり
J17_0679A07: しかるに阿難再三再四願ひ玉ひしゆへ止事を得す八
J17_0679A08: 敬を説玉ひぬ阿難傳へて八敬を護持せるによつて始
J17_0679A09: て出家を許し玉ふとかやされはみたりに是を許時は
J17_0679A10: 隨處法滅の難まぬかれかたし末世にも老婆子なんと
J17_0679A11: 情欲も衰へぬるものは八敬を護持せは許ぬるかたも
J17_0679A12: ありなん又祈禱念佛の輩は乘彼願力定得往生の人と
J17_0679A13: はいふへからす還入三惡の輩なりと貶して是を勸化
J17_0679A14: の本義とする事あり導師の還入三惡と仰られしは觀
J17_0679A15: 機の堪不を辨し玉ふに淨土の法門を信せす偏に人天
J17_0679A16: の樂をもとむるものを簡し給ふ也つふさには次下に
J17_0679A17: 淸淨覺經を引て其義を顯し玉ふかことく今時祈禱念
J17_0679B18: 佛といへるは淨土門の機に種種多類ありて一凖なら
J17_0679B19: す其一類とは厭欣も半の人也或は世間の橫難に遭ひ
J17_0679B20: し後生淨土の障とも成なん事を怖て目今さしあたり
J17_0679B21: たる障礙を攘はん事を祈求せる念佛何そ還入三惡の
J17_0679B22: 因縁とせんや諸佛如來の威力不可思議にして遊履し
J17_0679B23: 玉ふ所すらおのつから天下和順日月淸明に灾厲不起
J17_0679B24: 國豐民安の利益有况やこと更に祈求せはなんそ得益
J17_0679B25: なからんや夫天下治まらす國亂れたるときは念佛修
J17_0679B26: 行の障にもなりぬらん然は天下泰平寶祚延長を祈る
J17_0679B27: こと我宗今の通規なり世おさまらされは念佛修行も
J17_0679B28: かたし往生極樂も遂けかたく慈鎭和尚の御歌に
J17_0679B29: 捨し身も世をおさまれとおもふかな
J17_0679B30: 靜かならねはかくれかもなし
J17_0679B31: と詠し玉ふかことし况や今日在家凡夫億兆の人情しか
J17_0679B32: らしむるはげにことはりぞかし一類の機あつて往生を
J17_0679B33: 期しかねて今日の障礙をさけんかために諸佛諸神
J17_0679B34: に祈求せるを何そ偏に不至心不調心といはん耶しか

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