浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0650A01: | へく候。 |
J17_0650A02: | ともすれは身はうきぬまのあやめ草 |
J17_0650A03: | ひかれぬへきはこころなりけり |
J17_0650A04: | 高祖の御詠歌目の前をはなるまじく候南無阿彌陀佛 |
J17_0650A05: | 右は元祿八年亥正月五日一心院役僧是人七十一歳に |
J17_0650A06: | て御直書を寫得たり即本紙は專稱庵什寶なり。 |
J17_0650A07: | 抑其已來は朝暮床敷存外無之愚僧は年來願念の間元 |
J17_0650A08: | 祖上人御入滅の遺跡を慕ひ當院參籠雖然病身故行 |
J17_0650A09: | 儀挺挺にて淺間敷存斗に候前前如申合一大事彌增進 |
J17_0650A10: | 無限目出度事に候露命なからへあらは來春致下着 |
J17_0650A11: | 法談申度迄に候愚僧爰元の樣體淸印委可有物語事に |
J17_0650A12: | 候。 |
J17_0650A13: | 十一月一日 稱 念 |
J17_0650A14: | 多氣屋七郞太郞殿參 |
J17_0650A15: | 二啓令申候京都も念佛は繁昌之樣にありしかとも |
J17_0650A16: | 安心决定の方少く見へ歎ても餘りある事此人にあ |
J17_0650A17: | らすんは此事をかたる事なかれと存候迄哀れ御目 |
J17_0650B18: | にかかり物語申度まてに候南無阿彌陀佛。 |
J17_0650B19: | 愚僧今冬は當寺御影前參籠願望有之と籠居候前前 |
J17_0650B20: | 申ことく何としたる時やらん數珠持給はぬ折ふしも |
J17_0650B21: | 候左樣之時見まいらせ候ては身も心もおとろくはか |
J17_0650B22: | り也相かまへてあるましく候下根の人は念珠もたね |
J17_0650B23: | はわするる物に候かかる夢幻の憂世油斷いたしなは |
J17_0650B24: | 果して一大事たるへしさあるとて一念十念の往生あ |
J17_0650B25: | やふむは行か信をさまたくるにて候一念十念に往生 |
J17_0650B26: | するとて油斷かち成は信か行をさまたぐるなりこれ |
J17_0650B27: | 常の事にて候南無阿彌陀佛。 |
J17_0650B28: | 再啓路次不齋のよし申慣し候間良無沙汰本意の外 |
J17_0650B29: | に候唯南無阿彌陀佛油斷なく肝要たるへし愚僧は |
J17_0650B30: | 伊勢よりの道心者と當冬中致同行心靜に念佛執行 |
J17_0650B31: | し令逗留候。 |
J17_0650B32: | 東山より 稱 念 |
J17_0650B33: | 道 圓 へ參 |
J17_0650B34: | ○是等ノ御消息ハ專稱庵ノ什寶ナリシヲ當院ニ衆中是人トイフ僧 |