浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0630A01: | 相功德者謂百八ハ本具修性因果ノ五十四位ヲ標シ貫珠ハ觀世音母珠ハ阿彌陀佛十弟子ハ十波羅密ニシテ終ニ彌陀ノ果位ニイタルノ功德ヲ成スト又衆生身中ノ百八煩惱ニ配シ一ノ玉ヲ越ヘヌレバ隨テ一煩惱ヲ斷シテ竟ニ三摩地ヲ證ス又身分頭等ノ六分三百六十等ノ諸物ニ擬シ又ハ空假中ノ三諦ニ約シテ事理ノ念誦ヲ談スル事宗宗談異家家旨別ナル事今ハジメタルニアラズ各佛經祖釋ニ準シテ其義ヲ設ケ機ニ隨ヒ法ニヨツテ一凖ナラズ又衆生ズズヲタモチ法ノ如ク名號陀羅尼等ヲ誦ルコトアタハズトイヘトモ但手ニ持チ首ニカケ行住坐臥ニ身ヲ放タズシテタトヒ身口意ニ不善ヲナストモ三惡道ニ生セスト説玉ヘリ但シ我宗ニオヰテハ乃至十念上盡一形ノ敎ニ隨ヒ三萬六萬十萬者皆是上品上生ノ祖釋ニ準シ事理因果等ノ法相ニカカハラズ唯多念數徧ヲ要トス故ニ或ハ小豆ヲ以テシ或ハ秈穀ヲ用テ計ル(淨土文云凡升一合秈糓一千八百粒盛ノ往時陰陽師阿波介百八ノ二連數珠ヲ製シテ稱名ヲ勵ミケレバ元祖大師ノ玉ハクココロ愚ナレトモ往生ノ一大事心ニソミヌルユヘカカル才覺ヲ案シ出ケルゲニ巧ミナリトホメ玉ヒシコト勅傳ニ見エ侍ル我開山上人ノ貫輪(今ノ世ニワズズトイフ是也)ハ一手ニテ日課數萬ノ員ヲタヤスク成シ玉フコト衆務ヲイトナムモノモ双手ヲ勞セス尤巧妙ナリトイフヘシ念珠ハ稱名行者肝要ノ持物ナレハ繁ヲカエリ見ス是ヲ志ス淨安寺ニイマセシ時道俗皆上人ニ隨ヒ貫輪數珠ニテ多念數徧ヲ修シ侍レハ其コロ寺ノ門前ニ狂歌シテ岩付ノ町ヲ通ラバココロセヨ人ハヌキ入レズズノハヤルニ |
J17_0630A02: | 天智庵建立の事 |
J17_0630B03: | 上人隱遁の御心ふかく世の名利に縛せらるる事を厭 |
J17_0630B04: | ひ遂に淨安寺を辭し武江の城下に歸り天智庵を創建 |
J17_0630B05: | せんとす往時は櫻田の地にあり今の西久保天德寺是なり同郷に木内宮内少輔と |
J17_0630B06: | いふ人有ふかく上人に歸敬し黄金若干を喜捨して不 |
J17_0630B07: | 日に造營成就し侍るに即先師親譽上人を開祖とし自 |
J17_0630B08: | 第二世となる寔に師恩をふかく重んじ功を本に讓り |
J17_0630B09: | 玉ふ篤實の御こころ知べし上人生平の行相元より外 |
J17_0630B10: | には通軌を護持し裏には唯稱念佛の一行を要期とな |
J17_0630B11: | し專ら他力の玅術をもつて化益し給ふに四衆群集し |
J17_0630B12: | て稻麻竹葦のごとししかるに居住わづか三年にして |
J17_0630B13: | 庵室を法弟念譽一傳に讓り濟度弘通のために諸國行 |
J17_0630B14: | 脚せんと天文十三年の春錫を東海道に振ひ玉へは響 |
J17_0630B15: | の音に應ずるごとく驛舍の男女袂をつらね裳をかか |
J17_0630B16: | げて拜伏し我等ごとき罪ふかき身を助け給へとまめ |
J17_0630B17: | やかにのべければ上人宣く病して夜ながく疲れて道 |
J17_0630B18: | 遠し汝等智慧の眼盲戒行の足跛なり唯聲をあげて南 |
J17_0630B19: | 無阿彌陀佛と稱ずるの外他なしたとひ智慧の眼戒行 |