浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0631A01: | の足なくとも彌陀本願の稱名は有智無智有罪無罪を |
J17_0631A02: | 論ぜず决定して稱るものは攝取の光明にあづかりて |
J17_0631A03: | 往生疑ひなしと示し給へは老弱男女佛のごとくたう |
J17_0631A04: | とみ歡喜の泪にわかれををしみ奉りぬ中にも駿州吉 |
J17_0631A05: | 原の里は宿因やありけむ日わ累て法莚を開き專修の |
J17_0631A06: | 一行を示し玉へば安心决定して不退に稱名念佛せる |
J17_0631A07: | 人おほく遂に化導の跡一寺となし稱念寺と號しけ |
J17_0631A08: | る。 |
J17_0631A09: | 念佛弘通を太神宮に祈願し給ふ事 |
J17_0631A10: | 斯て上人伊勢路に遊履し給ふにその行相げに凡人と |
J17_0631A11: | は見えさせ給はねは衢に相逢人毎に掌を合せ圍繞渴 |
J17_0631A12: | 仰して十念を受んと欲するもの風に草の靡かことく敬 |
J17_0631A13: | ひ奉らぬはなかりき上人かねてきこしめし給ふに關 |
J17_0631A14: | 西の諸國禪法盛りに行れ其器にあらざるものもいた |
J17_0631A15: | づらに座禪に工夫を費し機法のわきまへもなくみだ |
J17_0631A16: | りに稱名の行をさみすと聞およひ給ふににげなく仰 |
J17_0631A17: | 信のありさま時機相應の法門なりといさみ思して |
J17_0631B18: | 太神宮へ七日參籠ましまし冀は今時難解難入の法を |
J17_0631B19: | さしをき大悲の本懷易行大善の法門を弘通せん事を |
J17_0631B20: | とふかく祈願し玉ふ無二至誠の御心神慮に應じける |
J17_0631B21: | にや滿參の夜 皇太神とおほしく高顏巍巍としてや |
J17_0631B22: | んことなき御よそおひにて一柄の如意を賜ふと見て夢 |
J17_0631B23: | 覺けれはこれ我大願成就の奇瑞なりと歡喜身に餘り |
J17_0631B24: | 彌志しを勵し勢州の間爰彼所遊履し給ひて專修の要 |
J17_0631B25: | 行を示し玉ふとなり。 |
J17_0631B26: | 松坂樹敬寺住職附俊乘房神告類例事 |
J17_0631B27: | 同記云爰に松坂樹敬寺の檀那歸依ふかく請待し奉れ |
J17_0631B28: | は止事をえす第六世の職を秉玉ふ此樹敬寺と申は元 |
J17_0631B29: | 祖大師の御弟子俊乘房重源上人の開基なり其濫觴を |
J17_0631B30: | 尋るに治承四年十二月廿八日本三位中將重衡卿父平 |
J17_0631B31: | 相國の命によりて南都を責しとき東大寺に火かかり |
J17_0631B32: | しかば大伽籃忽に灰燼となりにき翌治承五年六月廿 |
J17_0631B33: | 六日東大寺造營のために大勸進の聖の沙汰ありける |
J17_0631B34: | に大師其撰にあたり玉ひにけれは右大辨行隆朝臣 |