ウィンドウを閉じる

J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0629A01: 佛の御こころにもかなひぬらん今彌陀の本願に乘し
J17_0629A02: て往生しなんに願として成せずといふ事あるべから
J17_0629A03: ず本願に乘する事は信心のふかきによるべし受がた
J17_0629A04: き人身を受あひがたき本願にあひ奉りおこしがたき
J17_0629A05: 道心を發しはなれがたき輪廻の里をはなれ煩惱具足
J17_0629A06: の身の生れかたき報土に往生せん事悅ひの中の悅ひ
J17_0629A07: なり罪は十惡五逆のものも生すと信じて少罪をも犯
J17_0629A08: さじと思ふべし罪人なをうまる况や善人をや行は一
J17_0629A09: 念十念なをむなしからずと信じて無間に修すべし一
J17_0629A10: 念なを生る况や多念をやと元祖上人も仰られしと二
J17_0629A11: 祖の正脈佛意の深奧細に曉諭し給へは立所に一向專
J17_0629A12: 修の行者と成もの幾千人か擧て算ふべからずとぞ聞
J17_0629A13: へし上人利他の始此に盛にして渴仰の四衆數徧の行
J17_0629A14: 業を勵み專修一行の外さらに他事なかりき上人ことさ
J17_0629A15: らに自行のために念珠を製し玉ひ三十及び三十六顆
J17_0629A16: を貫輪とし造次顚沛起居動靜手をはなたず勤め給ふ
J17_0629A17: げに比類なき善巧なれは見聞の緇素皆上人の貫輪數
J17_0629B18: 珠を見ならひて持たざるを恥辱とし稱へさるを瑕瑾
J17_0629B19: とすこれ輪數珠をはじめ給ふ祖也むかし阿波介百八
J17_0629B20: の數珠二連を左右にもち右の手にて一稱に珠を搯り
J17_0629B21: 左の手にて一回の百數を搯りてつもれる數を弟子に
J17_0629B22: とれりとしかれども今時衆事をいとなむ人は學びが
J17_0629B23: たし吾上人三十六珠の貫輪をもつて千萬の數を搯る
J17_0629B24: ときは衆務をいとなむ人左右を勞せす一手にして數
J17_0629B25: 編の功を成す誠に善巧のはかり事也。
J17_0629B26: ○淨安寺武州增上寺第五世天譽了聞上人永正二年ニ開基アリテ今玆寶曆十二年ニ距テ二百五十八年吾開山上人法臘十六ニシテ住シ玉ヒテ化益アリシハ此寺ナリ或記ニ岩付淨國寺トアルハ誤ナリ淨國寺ハ淸巖上人天正十五年ニ開基アリテ今年迄百七十六年ナレハ上人住シ玉フ地ニアラズ知ルヘシ○貫輪數珠凡數珠ノ數ニ四種アリ珠モマタ金銀七寳及香木木患子菩提子等ノ不同アリソノカズ異ナレトモソノ功德異ナルコトナシ但シ其珠ニオヰテ功德各別ナル事挍量數珠功德經陀羅尼集經蘇婆呼童子經等ニアリ要ヲ取テ是ヲ云ハハ珠ノ中ニ水精ヲ勝タリトス然レトモ所修ノ法ニ隨テ各不同アリマタ菩提子ヲ以テ最勝トスルニ因縁有故ニ菩提樹ヲ延命樹トモ名ケ具ニハ經ニ説カゴトシ數珠ノ四種トイフハ千八十ヲ上トシ百八ヲ最勝トシ五十四ヲ中トス四十二或ハ二十七二十一十四ヲ下トス其法

ウィンドウを閉じる