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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0144A01: ともに地獄に墮す共佛にはならじと。四十八の誓ひ
J17_0144A02: 事を立給ひしに。此願已に成就するゆへに。成佛し
J17_0144A03: 給ひて十劫以來也。故に極惡最下の罪人も。此名號
J17_0144A04: を唱れば。萬行萬善の功德を得。因位の本願にこた
J17_0144A05: えて迎接し給はん。故に本願不思議の力にて。須臾
J17_0144A06: の間に報土に生て。刹那の間に無生の悟をひらかん
J17_0144A07: 事。何の疑かあるべきや。一念に無上の功德を得る
J17_0144A08: 名號也。更に一念十念の功少しとは不可思とぞ仰
J17_0144A09: られける。惠心の正觀の記の中に云。當知阿彌陀名
J17_0144A10: 號三字には。具に備二千三百九十五卷大乘經。六百
J17_0144A11: 八十卷小乘經。五十五卷大乘律。四百四十一卷小乘
J17_0144A12: 律。五百五十卷大乘論。六百九十五卷小乘論。五百
J17_0144A13: 九十三卷賢聖集法門亦具金剛界一千四百五尊。胎
J17_0144A14: 藏界五百三尊。蘇悉地七十三尊。故唱阿彌陀三字
J17_0144A15: 即唱五千三百十二卷一切聖敎。阿彌陀經に執持名
J17_0144A16: 號。爲大善根其意在斯。長舌證誠と候。誰か不
J17_0144A17: 生信矣。又名號に萬德をおさむる事分明也。誰か
J17_0144B18: 此義を疑はんや。又或人問奉て云。毎日の所作に六
J17_0144B19: 萬十萬等の數遍を當て。しかも不法なると。二萬三
J17_0144B20: 萬を當て如法なると。いづれを正とすべく侍んと。
J17_0144B21: 上人の曰。凡夫の習ひ。二萬三萬の數遍をあつと云
J17_0144B22: とも。更に如法の義にあるべからず。只數遍の多か
J17_0144B23: らんにはしかじ。所詮心をして相續せしめ。只常念
J17_0144B24: の爲也。數を定むるを要とするにあらず。數を定め
J17_0144B25: ざれば。懈怠の因縁なれば。數遍をすすむる也と仰
J17_0144B26: られけり。高野僧都明遍は數遍は不實のきはまり也
J17_0144B27: とて。不受せられけるが。或時修行者一人來て。毎
J17_0144B28: 日の念佛は。いくらほどを所作と定め侍らんと尋申
J17_0144B29: けるに。御房はいくら程申さるるぞと返し問れけれ
J17_0144B30: ば。百萬遍を申よしを答ける時。例の不實の者をと
J17_0144B31: 思はれける間。返答に不及して内へ入られにけり。
J17_0144B32: 修行者も歸りけり。僧都ちとまどろみ給ふに。毎日
J17_0144B33: 百萬遍の行者をいひ妨る事。然るべからずとて。以
J17_0144B34: の外に氣色あしくして。我は是善導也と仰らるると

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