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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0145A01: 見て驚きければ。遍身に汗をながし。胸さわぎて身
J17_0145A02: 心おき所なく覺ければ。後。修行者を呼て懺悔せむ
J17_0145A03: 爲に。手わけして山中を尋けれども。見えず成にけ
J17_0145A04: れば。時尅をも隔ず。たとひ下向すとも幾程のぶべ
J17_0145A05: からずとて。使ども走立て追けれども。遂に見へざ
J17_0145A06: りければ。僧都申されけるは。日來は早操の數遍を
J17_0145A07: 不受する事。佛意に背間。告示されける也。實の修
J17_0145A08: 行者にはあらざりけりと。其後は百萬遍の數遍をせ
J17_0145A09: られけるが。手に念珠をまはすはおそしとて。木を
J17_0145A10: もちて念珠をふりまわして。數をとられければ。明
J17_0145A11: 遍のふりふり百萬遍とぞ人申ける。所詮上人も念佛
J17_0145A12: 相續の爲に數遍をすすむるよし。仰られけるうへは。
J17_0145A13: 仰で信をとるべし。及ばざる意樂をおこして數遍を
J17_0145A14: 難ずる事なかれ。
J17_0145A15:
J17_0145A16:
J17_0145A17:
J17_0145B18: 法然上人傳記卷第四上或本以下爲中卷
J17_0145B19:
J17_0145B20: 羅城門礎事 淨土宗興行事 信寂房の事
J17_0145B21: 敎阿彌陀佛の事 女人往生願の事
J17_0145B22: 作佛房往生事神明和光事已上六段
J17_0145B23: 羅城門礎事
J17_0145B24: 正治二年四月十二日。農夫羅城門の前の田耕作せし
J17_0145B25: 時。礎の石を掘出す事有けり。此石に文字あり。農
J17_0145B26: 夫あやしみて人にかたる。月輪殿是をきこしめされ
J17_0145B27: て。成信・孝範・爲長・宗業の四人の儒者を遣はし
J17_0145B28: て見せられけるに。三人一向に是をよまず。孝範一
J17_0145B29: 人は年號計をよめり。各各歸參して此文更に文道の
J17_0145B30: 事にあらず。佛法の事かと申けるに。春日の中將を
J17_0145B31: 御使として。法然上人へ仰られければ。上人彼所へ
J17_0145B32: 向て是を見給ひて後。落涙甚し。しばらく有て。腰
J17_0145B33: より檜木の骨の紙扇をとり出して。是をうつして持
J17_0145B34: 參せらる。彼文云。前代所傳皆是聖道。上人敎法。

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