浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0143A01: | 佛は。念念ごとに佛の御意に叶ひ候など申けるを。 |
J17_0143A02: | いかなればと。上人返し問せ給ひければ。智者にて |
J17_0143A03: | おはしませば。名號の功德をも悉くしろしめし。本 |
J17_0143A04: | 願の樣をも明に御心得あるゆへにと申ける時。汝本 |
J17_0143A05: | 願を信ずる事まだしかりけり。彌陀如來の本願の名 |
J17_0143A06: | 號は。木こり草かり。なつみ水くむたぐひのごとき |
J17_0143A07: | の。内外ともにかけて一文不通なるが。唱れば必生 |
J17_0143A08: | ると信じて。眞實にねがひ。常に念佛申を最上の機 |
J17_0143A09: | とす。若智惠をもつて生死を可離ば。源空いかでか |
J17_0143A10: | 彼聖道門を捨て。此淨土門に可趣哉。當知聖道門 |
J17_0143A11: | の修行は。智惠を究めて離生死。淨土門の修行は。 |
J17_0143A12: | 愚痴に歸りて生極樂。又或は天台宗の人問奉て云。 |
J17_0143A13: | 佛敎多門にて生死を出る道一にあらず。其中に聖道 |
J17_0143A14: | 門は法花に須臾聞之即得究竟ともいひ。取證如反掌 |
J17_0143A15: | ともいへる一類頓悟の類は暫くこれを指置。敎の掟 |
J17_0143A16: | に付て。次位の階級を定め。修行の方軌を明らめた |
J17_0143A17: | るには。十信萬劫の修行を送て後。無生忍の位に叶 |
J17_0143B18: | と談ぜり。然に淨土門に十惡五逆をつくる罪惡の凡 |
J17_0143B19: | 夫なれども。知識の敎をうけて。纔に一念十念の口 |
J17_0143B20: | 稱念佛に依て忽に報土得生の益を得て。刹那の間に |
J17_0143B21: | たやすく無生忍の位に叶といへる事。大に不審にて |
J17_0143B22: | 候。抑六字の名號にて。いかなる功力の候へば。萬 |
J17_0143B23: | 行にこえてかかる不思議の奇特をば備候やらんと。 |
J17_0143B24: | 上人答給はく。彌陀因位の時。一切衆生に代りて。 |
J17_0143B25: | 兆載永劫の間。六度萬行。諸波羅蜜の一切の行を修 |
J17_0143B26: | して。其功德を悉く六字の名號に納られたる間。萬 |
J17_0143B27: | 行萬善諸波羅蜜。三世十方の諸佛の功德の。六字の |
J17_0143B28: | 名號にもれたるはなし。故に是を極善最上の法とも |
J17_0143B29: | 名く。されば惠心僧都の。因行果德。自利利他。内 |
J17_0143B30: | 證外用。依報正報。恆沙塵數。無邊法門。十方三世。 |
J17_0143B31: | 諸佛功德。皆悉攝在。六字之中。是故稱名。功德無 |
J17_0143B32: | 盡と判じ給へるは此心也。彌陀の本願に。此名號を |
J17_0143B33: | 唱へて極樂に生れんと願はん衆生をば。聖衆ととも |
J17_0143B34: | に來て迎接すべし。此願若成就すまじくば。衆生と |