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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0141A01: から。端坐合掌し。稱名相續して。最後に光明遍照
J17_0141A02: の一句をとなへ。眠がごとく往生し給き。抑勢觀上
J17_0141A03: 人は。小松の少内府の六男備中守師盛の息也。幼稚
J17_0141A04: の昔より法然上人に内府奉りて。本尊聖敎以下悉皆
J17_0141A05: 附屬にあづかり給ひし上は。所立の法門において其
J17_0141A06: 疑なし。然を聖光房所立の法門と。源智相承の義立
J17_0141A07: と全くたがはざりけるか。嘉禎三年九月廿一日。聖
J17_0141A08: 光上人へ送られける狀に云。相互不見參候。年月
J17_0141A09: 多く積候。于今存命。今一度見參。今生に難有覺
J17_0141A10: 候。哀候者歟。抑先師の念佛の義。末流濁亂。義道
J17_0141A11: 不似昔不可説候。御邊一人正義傳持之由承及候。
J17_0141A12: 返返本懷候。喜悅無極思給候。必遂往生本望。奉
J17_0141A13: 期引導値遇縁候者也。以便宜捧愚狀。御報何
J17_0141A14: 之日拜見哉。他事短筆難盡候。恐恐謹言。
J17_0141A15: 九月二十一日 源智云云
J17_0141A16: 其後。聖光上人附弟子然阿上人と。勢觀上人附法弟
J17_0141A17: 子蓮寂上人と。東山赤築地にして。四十八日の談義
J17_0141B18: をはじめ。然阿上人を讀口として。兩流を挍合せら
J17_0141B19: れしに。一として違する所なき間。日來勢觀上人の
J17_0141B20: 申されし事符合せるによりて。予が門弟におゐては
J17_0141B21: 筑紫義に同ずべし。更に別流を不可立。蓮寂上人
J17_0141B22: 約諾をなされし後は。勢觀上人の門流を不立者也。
J17_0141B23: 當世筑紫義と號するは。彼聖光上人の流也。
J17_0141B24: 天王寺西門事
J17_0141B25: 高野の明遍僧都。上人所造の撰擇集を見て。よき文
J17_0141B26: にて侍れども。偏執なる邊ありと思ひて。寢たる夜の
J17_0141B27: 夢に。天王寺の西門に病者數もしらずなやみなせり。
J17_0141B28: 一人の聖ありて。鉢にかゆを入て。匙をもちて。病
J17_0141B29: 人の口ごとに入る。誰人ぞと問ば。或人答て法然上
J17_0141B30: 人也と云と見て夢さめぬ。僧都思はく。我選擇集を
J17_0141B31: 偏執の文とおもひつるを。夢に示し給なるべし。此
J17_0141B32: 上人は機をしり時をしりたる聖にてましましけり。
J17_0141B33: 病人の樣は。始には柑子・橘・梨子・柹ていのもの
J17_0141B34: を食すれども。後には其もとどまりぬと。うきうき

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