浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0507A01: | にてもありなん。若一日若二日といへば。若といふ |
J15_0507A02: | 一しなならざる事を顯はす。或は乃至十念といふ事 |
J15_0507A03: | もあり。十度阿彌陀佛と申すなり。又乃至一念とも |
J15_0507A04: | いふ。今これをおもふに人に隨て念佛の熟する品異 |
J15_0507A05: | なるべし。普賢を見るに七日に見る人もあり。二七日 |
J15_0507A06: | にも見。三七日にも障重く輕きに隨ひて異なるが如 |
J15_0507A07: | し。然るに障の品暗にわきまへがたし。只佛ぞ知り |
J15_0507A08: | たまへらん。然れば重きに就て七日百萬遍とせらん |
J15_0507A09: | 最好し。又十石二十石。若は生る一生も立居に明暮 |
J15_0507A10: | まうさば熟する種を得てん。これを稱名といふ。讚 |
J15_0507A11: | 嘆とは佛をほめ國のありさま古への本願今の利益を |
J15_0507A12: | 申し立て嘆る是なり。讚に云。阿彌陀佛身。金色相 |
J15_0507A13: | 好端嚴無等倫。白毫宛轉五須彌。紺目澄淸四大海。 |
J15_0507A14: | 觀彼世界相。勝過三界道。究竟如虚空。廣大無 |
J15_0507A15: | 邊際といふかくの如き等の偈頌を讚といふ。又この |
J15_0507A16: | 世の博士のつくれるもあれども煩しければ出さず。 |
J15_0507A17: | 又和讚とて日本詞を本として作れるもあり。其讚に |
J15_0507B18: | 云。娑婆世界の西の方 十萬億の國すぎて 淨土あ |
J15_0507B19: | るなり極樂界 佛在ます彌陀尊などいふ是なり。 |
J15_0507B20: | 問意業の中には何にか觀じ奉るべきや答口に嘆めつ |
J15_0507B21: | る事の心を思ふべし。然も此觀念をまさしき念佛と |
J15_0507B22: | いふ。重て要の節を顯はさん。これに二つあるべし。 |
J15_0507B23: | 初には阿彌陀佛の名を念ずべし。此名に無量無邊の |
J15_0507B24: | 功德を攝めたり。これをいへば。すなはち無量の功德 |
J15_0507B25: | よばれてわが身に來り集る。その時無始よりこのか |
J15_0507B26: | たの煩惱惡業逃去りぬ。たとへば善き藥ある處には |
J15_0507B27: | 惡鬼のにげさるがごとし。又彼佛よばれてわが前に |
J15_0507B28: | 來りたまふと觀ずべし。又かの佛の光明無量壽命無 |
J15_0507B29: | 量にましますことを聲につけて觀ぜよ。かくのごと |
J15_0507B30: | くおほやうに想ふべし。後には靜なる處。をそりな |
J15_0507B31: | き室の内にて。西にむかひ。うるはしく居て。手を |
J15_0507B32: | あざへ目をとぢ息を調へ身をやすめて。心の眼を開 |
J15_0507B33: | て。佛の三十二相。八十隨好を見せしめよ。喩へは |
J15_0507B34: | 鏡の影。夢の前の事の如くにして目の前に見ゆ。心 |