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J2190 菩提心集 珍海 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J15_0507A01: にてもありなん。若一日若二日といへば。若といふ
J15_0507A02: 一しなならざる事を顯はす。或は乃至十念といふ事
J15_0507A03: もあり。十度阿彌陀佛と申すなり。又乃至一念とも
J15_0507A04: いふ。今これをおもふに人に隨て念佛の熟する品異
J15_0507A05: なるべし。普賢を見るに七日に見る人もあり。二七日
J15_0507A06: にも見。三七日にも障重く輕きに隨ひて異なるが如
J15_0507A07: し。然るに障の品暗にわきまへがたし。只佛ぞ知り
J15_0507A08: たまへらん。然れば重きに就て七日百萬遍とせらん
J15_0507A09: 最好し。又十石二十石。若は生る一生も立居に明暮
J15_0507A10: まうさば熟する種を得てん。これを稱名といふ。讚
J15_0507A11: 嘆とは佛をほめ國のありさま古への本願今の利益を
J15_0507A12: 申し立て嘆る是なり。讚に云。阿彌陀佛身。金色相
J15_0507A13: 好端嚴無等倫。白毫宛轉五須彌。紺目澄淸四大海。
J15_0507A14: 觀彼世界相。勝過三界道。究竟如虚空。廣大無
J15_0507A15: 邊際といふかくの如き等の偈頌を讚といふ。又この
J15_0507A16: 世の博士のつくれるもあれども煩しければ出さず。
J15_0507A17: 又和讚とて日本詞を本として作れるもあり。其讚に
J15_0507B18: 云。娑婆世界の西の方 十萬億の國すぎて 淨土あ
J15_0507B19: るなり極樂界 佛在ます彌陀尊などいふ是なり。
J15_0507B20: 問意業の中には何にか觀じ奉るべきや答口に嘆めつ
J15_0507B21: る事の心を思ふべし。然も此觀念をまさしき念佛と
J15_0507B22: いふ。重て要の節を顯はさん。これに二つあるべし。
J15_0507B23: 初には阿彌陀佛の名を念ずべし。此名に無量無邊の
J15_0507B24: 功德を攝めたり。これをいへば。すなはち無量の功德
J15_0507B25: よばれてわが身に來り集る。その時無始よりこのか
J15_0507B26: たの煩惱惡業逃去りぬ。たとへば善き藥ある處には
J15_0507B27: 惡鬼のにげさるがごとし。又彼佛よばれてわが前に
J15_0507B28: 來りたまふと觀ずべし。又かの佛の光明無量壽命無
J15_0507B29: 量にましますことを聲につけて觀ぜよ。かくのごと
J15_0507B30: くおほやうに想ふべし。後には靜なる處。をそりな
J15_0507B31: き室の内にて。西にむかひ。うるはしく居て。手を
J15_0507B32: あざへ目をとぢ息を調へ身をやすめて。心の眼を開
J15_0507B33: て。佛の三十二相。八十隨好を見せしめよ。喩へは
J15_0507B34: 鏡の影。夢の前の事の如くにして目の前に見ゆ。心

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