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J2190 菩提心集 珍海 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J15_0508A01: の眼ひらきぬれば。必しかり。又八萬四千の相好光
J15_0508A02: 明を見る。又大慈悲の心を知る。是を終の觀とすべ
J15_0508A03: し。又蓮華の寳座。瑠璃の大地。宮殿寳池。寳樹羅
J15_0508A04: 網。及び九品往生の人。並に大菩薩衆。觀音勢至二
J15_0508A05: りの大士を見。又諸の音樂。波風の聲。皆妙なる法
J15_0508A06: を説を觀ずへし。又四十八の大願。十力無畏の功德。
J15_0508A07: 甚深常樂の法性の身を觀ずべし凡十六想觀あり觀無
J15_0508A08: 量經に説が如し。其十六想觀の初には日想觀を明す。
J15_0508A09: 日の西に傾きて入らんとするを觀ずるなり。其故は
J15_0508A10: 光を見せて彼國の淨き色。佛の明かにまします光を
J15_0508A11: 心の眼にならはしむるなり。次には池の水のいさぎ
J15_0508A12: よくすめるをみせしむ。これは此國の水を見せて彼
J15_0508A13: 國の瑠璃の地に喩へ顯はして心をならはす初とする
J15_0508A14: なり。而して後に彼地を見。植木。池の水。宮殿等
J15_0508A15: の物を見る。其後寳座を見。佛菩薩のかたちを見。
J15_0508A16: こののちわが往生を想ひ。又他人のを見て九の品の
J15_0508A17: 往生を觀ずるなり。これらの事具には經文及び古き
J15_0508B18: 聖の書き集め置けるが如し。
J15_0508B19: 問今こころに觀をならはんと思ふに。事しげくして
J15_0508B20: 具へ難くきこゆ。麁麁だにも爾り。いはんや事ごと
J15_0508B21: に覺束なからずせば定めていよいよ煩はしからん。
J15_0508B22: しからばかづかづ一つの事につきて明らめ知らんと
J15_0508B23: 思ふ。答まことにしかり。一つを述ん。まづ淸く澄
J15_0508B24: る池の中に一つの蓮の花あざやかに開たり。花のあ
J15_0508B25: りさま此世の花に准へて然も具に了かに心の眼にみ
J15_0508B26: せしめよ。其上に一つの丈六の佛像を見よ。そのか
J15_0508B27: たち世に作り顯はせるをかたぎとせよ。其後佛像漸
J15_0508B28: く鮮かになり增りて光を演べ流し給ふ。又脣を開て
J15_0508B29: 法をとい給ふ。其法は般若法華などの意をとい給ふ
J15_0508B30: とき。其形像のありさまは。頂は笠の角の如くあが
J15_0508B31: れる骨。肉の髻ありて綠のかんざし筋ごとに卷き出
J15_0508B32: てかひの如し。髮際あざやかにして金色と紺靑と界
J15_0508B33: あきらかなり。額に白きさほけ玉の形に卷き縮りて
J15_0508B34: あり。其めぐりに白きひかり金色の膚に映ぜり。二

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