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J2190 菩提心集 珍海 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J15_0506A01: こゑは摩につづきて牟のこゑにうつるなり。かくう
J15_0506A02: つりなれども南無阿彌陀佛とたがふべからず。又は
J15_0506A03: 南無無量壽佛とも申す。又は無量光佛とも無邊
J15_0506A04: 光佛とも無碍光佛とも無對光佛とも炎王光佛とも淸
J15_0506A05: 淨光佛とも歡喜光佛とも智惠光佛とも不斷光佛とも
J15_0506A06: 難思光佛とも無稱光佛とも超日月光佛ともまうす。
J15_0506A07: これ十二光の御名なり。又南無西方極樂化主阿彌陀
J15_0506A08: 如來。大慈大悲觀音勢至諸菩薩淸淨大海衆ともまう
J15_0506A09: す。數は取りて知るも好し。取らずともあるべし。
J15_0506A10: ふるき人の云ひ傳へたる事なり。又數をとるに或は
J15_0506A11: 數珠しても取る。或は指を折ても取るべし。或は小
J15_0506A12: 豆して何石とかぞふる事やんごとなき智者のしたま
J15_0506A13: へる事なり。その敎へにていにしへ或は三十石。或
J15_0506A14: は五十石。或は八十石九十石まうしたりける。人人
J15_0506A15: 堪たるに隨て品品ありけり。又むかし淸涼山に僧お
J15_0506A16: はしけり。前に十石の甕を置て一たび阿彌陀佛を念
J15_0506A17: じては豆一つぶなげ入れなげ入れしてもたいに滿ほど
J15_0506B18: に。阿彌陀ほとけ來り迎へ給ひて去りにき。人その
J15_0506B19: 事をまなぶべし。聲をたかくひき澄して心を伸べ遣
J15_0506B20: る事もあり。又緊しく強くいひて心をはげます事あ
J15_0506B21: り。皆むかしの聖の敎へどもなり。今これをおもふ
J15_0506B22: に折節に隨ふべし。心闇く緩はばきびしく申せ。若
J15_0506B23: こころ躁しく散らばほそく舒て引け。又しづかなら
J15_0506B24: ん夜などはよくほそく澄して申せ。若は常には短く。
J15_0506B25: 聲聞えずとも唯舌をはたらかす樣もあり。或は息に
J15_0506B26: つきて心に阿彌陀佛とまうすやうにおもふべし。是
J15_0506B27: は聖敎に見えたり。必しも舌をはたらかさず大方は
J15_0506B28: 心をしづめんとするを源とせり。かかればいそがし
J15_0506B29: くずずをくりて數を足さんとさわぐいとよき事には
J15_0506B30: あらず。但少くともたしかに明かにすべし。又百萬
J15_0506B31: 遍の念佛人こぞりてする由あり。七日念佛を阿彌
J15_0506B32: 陀經に勸めたり。七日の間夜晝たしかにまうすに。
J15_0506B33: 日に十四五萬遍づづにて百萬遍にあたると古き聖傳
J15_0506B34: へ給へり。七日は究をいふ。念佛は一日にても二日

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