浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0688A01: | 心を置く也次に所歸の心の置き樣は只阿彌陀如來に |
J09_0688A02: | 歸依する也諸佛ましませともうらめしくも諸佛は捨 |
J09_0688A03: | 玉ふを阿彌陀如來はかり凡夫を攝し玉ふ故に彌陀一 |
J09_0688A04: | 佛に歸依するなり彌陀諸佛の捨玉ふ凡夫を濟はん爲 |
J09_0688A05: | めに因位に此の願を立てて先つ自身から佛果を成し |
J09_0688A06: | 玉ふなり佛果の寳は終に盡る期無し譬へは天子公方 |
J09_0688A07: | の寳の盡くる期無きか如し今も阿彌陀如來無上の寳 |
J09_0688A08: | を凡夫の衆生に與へ玉ふ然れは彌陀如來の正覺は併 |
J09_0688A09: | て我等か爲也唯唯彌陀に歸依して飾らさる心を以て |
J09_0688A10: | 往生せんと思ふ是れ至誠心の心の置き樣也又人は往 |
J09_0688A11: | 生せすとも我一人は必す往生すへしと思ふか深心の |
J09_0688A12: | 心の置き樣也所作の念佛も只往生の爲めと思ふか回 |
J09_0688A13: | 向心の心の置き樣なり次に去行の心の置き樣は先つ |
J09_0688A14: | 總して通途は六波羅蜜の修行を段段に修して初地已 |
J09_0688A15: | 上にならねは報土に往生は不叶又極樂淨土の往生 |
J09_0688A16: | は兎角我等は自力にて修行は叶はす只他力に依り |
J09_0688A17: | て生する也其依他力生するに付て行に有萬行或 |
J09_0688B18: | は讀誦或は解第一義或は戒行等也爾るに其讀誦戒行 |
J09_0688B19: | の功德を以てはかりは不往生それも佛の他力に依 |
J09_0688B20: | りて生するなり其外の餘行も皆如是故に今の三心 |
J09_0688B21: | を觀經の眞中に置きて念佛諸行に通せしむるなり九 |
J09_0688B22: | 品に萬行あり故に往生の行は廣くして通萬行也爾 |
J09_0688B23: | れは萬行か皆往生の行になれとも彌陀の願意は諸行 |
J09_0688B24: | を選擇して選捨し玉ふ也讀誦大乘解第一義の行は在 |
J09_0688B25: | 家なとは不叶事也故に萬行を捨て只此の念佛の一 |
J09_0688B26: | 行を願し玉ふ也爾れは此の三心は畢竟念佛の三心也 |
J09_0688B27: | 故に四十八の中には第十八願に至心等と説き玉ふ彌 |
J09_0688B28: | 陀の本意は只是れ念佛の三心也釋迦如來も此の三心 |
J09_0688B29: | 念佛餘行に通するか故に觀經定散二善の中間に説き |
J09_0688B30: | 給ふ是れ則ち餘行も攝機の願に乘するか故也爾れと |
J09_0688B31: | も餘行を説き玉ふは且く隨他の前也隨自意の前には |
J09_0688B32: | 只是れ念佛はかり也付屬の文如此されは此の觀經 |
J09_0688B33: | の始終は唯是れ念佛也三心も亦是れ念佛の三心也是 |
J09_0688B34: | 以て安心起行倶に只是れ念佛の三心と結歸すること |