浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0686A01: | 必す來るが如し○十二丁邪業繫とは臨終には三惡趣の |
J09_0686A02: | 繩かそれそれの罪業を以てかかる也彼の大晦日の如 |
J09_0686A03: | し○百苦とは諸の苦なり○三種の愛心とは總して欲 |
J09_0686A04: | 界受生の人一人として起らさる者無し境界愛とは諸 |
J09_0686A05: | 道具家屋敷及ひ妻子眷屬等に愛を起すなり故に臨終 |
J09_0686A06: | には妻子等は餘り近付くべからす出家を請して置く |
J09_0686A07: | べきなり自體愛とは總して人間の命を惜ます死を怖 |
J09_0686A08: | れさる者は智者愚者貴賤老若ともに無きこと也爾る |
J09_0686A09: | に世間に男だてがけんくわをなして死し或は心中し |
J09_0686A10: | て死ぬる者ありいつれも命を惜まぬと云こと無けれ |
J09_0686A11: | とも是等は皆無明の酒に醉ふて死ぬる也或は瞋恚の |
J09_0686A12: | 無明の酒或は愛着の無明の酒によりて本性を失する |
J09_0686A13: | 者也當生愛とは當來の愛也善惡の業に引かれて當來 |
J09_0686A14: | に生れんとする處の相か見へ來るを喜ひてそこに愛 |
J09_0686A15: | 着起りていさ往んと思ふ心の生するなり翼賛二十三之十五丁如 |
J09_0686A16: | 此三種の愛心は臨終の時必す起るなり○心に歡喜 |
J09_0686A17: | をなしてとは佛の來迎を拜見する故に三種の愛心も |
J09_0686B18: | 忽に止んて正念に往生するなり常に云ふ來迎の上の |
J09_0686B19: | 正念歟正念の上の來迎歟と云ふ事あり此の語灯錄の |
J09_0686B20: | 末に元祖の委しき釋あり兎角に淨土宗の意は來迎の |
J09_0686B21: | 上の正念也爾るに感應の水澄まされはなと云は聖道 |
J09_0686B22: | の意ならは可爾智度論に四禪比丘の因縁あり此の |
J09_0686B23: | 因縁を以て見れは正念の上の來迎なとと常常思ふ人 |
J09_0686B24: | は臨終に邪見起る也或は又世間の人病に依て臨終の |
J09_0686B25: | 正念なる者も有るへし此の人思樣は我は正念なるか |
J09_0686B26: | 今に來迎無しと佛を疑ふ時は其の邪見にて忽に地獄 |
J09_0686B27: | の來迎現するなり來迎以前に正念になる者あり是は |
J09_0686B28: | 先つ病品によつて正念なる者もあり又念佛者には軈 |
J09_0686B29: | て佛の來迎し玉ふ故に其瑞相にて正念なる也喩へは |
J09_0686B30: | 日光出つる時は先つ世間を照す如き也爾れは是れも |
J09_0686B31: | 來迎の先相也必す必す正念の上の來迎とは思ふへか |
J09_0686B32: | らす來迎已前に正念になるもおさへて佛の來迎の先 |
J09_0686B33: | 相有るか故なりと云也○又この經に具三心者等とは |
J09_0686B34: | 此の三心は淨土宗の肝心也南無阿彌陀佛の名號は不 |