浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0685A01: | 十一丁名聲超十方とは名も聲もともに名なり今時日本 |
J09_0685A02: | 一州隅隅迄も聞ゆることは因位に名聲超十方と誓ひ |
J09_0685A03: | 玉ふ故也○諸佛所證等とは謂く佛果の上は平等なれ |
J09_0685A04: | とも因位の各別の發願は果上に於ても自然と差別有 |
J09_0685A05: | る也喩へは鑄物師が或は鶴や龜なとを鑄る時に先つ |
J09_0685A06: | それそれの鑄形を拵るは因位の各別發願也正しく湯 |
J09_0685A07: | をわかしてつぎこむ時は差別無し是は諸佛所證平等 |
J09_0685A08: | なり爾れとも因位の鑄形を見ればそれそれに各別な |
J09_0685A09: | り是れ則ち因位の願行各別によつて人法二執の蠟は |
J09_0685A10: | 流れ落ちて鶴龜と各別に出來る也又觀經の日想觀の |
J09_0685A11: | 時先つ穢土の日輪を觀し習ふ春秋の彼岸は正等の時 |
J09_0685A12: | 分なれば此時の日を見習ひ置きてそれより靜なる處 |
J09_0685A13: | へ引籠り向西觀念す此の時は定界の心になるか故 |
J09_0685A14: | に分別解了は無きなり爾れとも此時前方見習ふ日輪 |
J09_0685A15: | が現ずる也日輪とも不覺始め思惟の位か鑄形と成 |
J09_0685A16: | りて現ずるなり然れは正受の位は分別無れとも思惟 |
J09_0685A17: | の時の差別に依りて現ずる也其外寳樓寶樹等の觀も |
J09_0685B18: | 如此今諸佛所證平等なれとも因位の願行を以て見 |
J09_0685B19: | るときは各別也○又この願ひさしくとは彌陀如來盡 |
J09_0685B20: | 未來際壽命無量ならんと願し玉ふ是れ久しく衆生を |
J09_0685B21: | 濟はんためなり○橫に一切衆生とは光明は一度に一 |
J09_0685B22: | 切衆生を照す故に橫也橫はよこなり竪はたてなり朔 |
J09_0685B23: | 日二日三日と次第する如きは竪なり○又化佛菩薩と |
J09_0685B24: | は是れ亦阿彌陀如來なり此の利益は雜行の人には無 |
J09_0685B25: | し生因の念佛者ばかりに有る也○百重千重とは念佛 |
J09_0685B26: | 者には化佛菩薩常に百重千重に垣をして惡鬼惡神を |
J09_0685B27: | はらひのけ攝護し玉ふ也さて重の字をかさねると訓 |
J09_0685B28: | するときは平聲にして音ちようをもしと訓するとき |
J09_0685B29: | は上聲にして音ぢうなれとも通途に任せて此もちう |
J09_0685B30: | と讀むへし○衆苦ことことく消滅とは是れ迄は現在 |
J09_0685B31: | の益なり以下は臨終の益也平生にも佛は來り玉へと |
J09_0685B32: | も臨終は大切なる故に佛自ら來迎し玉ふ喩へは人の |
J09_0685B33: | 親の隱居しても我か子や娘の處へは常常にも見迴に |
J09_0685B34: | 來る其中にも大晦日は大切なる故に心もと無ふ思ひ |