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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0685A01: 十一丁名聲超十方とは名も聲もともに名なり今時日本
J09_0685A02: 一州隅隅迄も聞ゆることは因位に名聲超十方と誓ひ
J09_0685A03: 玉ふ故也○諸佛所證等とは謂く佛果の上は平等なれ
J09_0685A04: とも因位の各別の發願は果上に於ても自然と差別有
J09_0685A05: る也喩へは鑄物師が或は鶴や龜なとを鑄る時に先つ
J09_0685A06: それそれの鑄形を拵るは因位の各別發願也正しく湯
J09_0685A07: をわかしてつぎこむ時は差別無し是は諸佛所證平等
J09_0685A08: なり爾れとも因位の鑄形を見ればそれそれに各別な
J09_0685A09: り是れ則ち因位の願行各別によつて人法二執の蠟は
J09_0685A10: 流れ落ちて鶴龜と各別に出來る也又觀經の日想觀の
J09_0685A11: 時先つ穢土の日輪を觀し習ふ春秋の彼岸は正等の時
J09_0685A12: 分なれば此時の日を見習ひ置きてそれより靜なる處
J09_0685A13: へ引籠り向西觀念す此の時は定界の心になるか故
J09_0685A14: に分別解了は無きなり爾れとも此時前方見習ふ日輪
J09_0685A15: が現ずる也日輪とも不覺始め思惟の位か鑄形と成
J09_0685A16: りて現ずるなり然れは正受の位は分別無れとも思惟
J09_0685A17: の時の差別に依りて現ずる也其外寳樓寶樹等の觀も
J09_0685B18: 如此今諸佛所證平等なれとも因位の願行を以て見
J09_0685B19: るときは各別也○又この願ひさしくとは彌陀如來盡
J09_0685B20: 未來際壽命無量ならんと願し玉ふ是れ久しく衆生を
J09_0685B21: 濟はんためなり○橫に一切衆生とは光明は一度に一
J09_0685B22: 切衆生を照す故に橫也橫はよこなり竪はたてなり朔
J09_0685B23: 日二日三日と次第する如きは竪なり○又化佛菩薩と
J09_0685B24: は是れ亦阿彌陀如來なり此の利益は雜行の人には無
J09_0685B25: し生因の念佛者ばかりに有る也○百重千重とは念佛
J09_0685B26: 者には化佛菩薩常に百重千重に垣をして惡鬼惡神を
J09_0685B27: はらひのけ攝護し玉ふ也さて重の字をかさねると訓
J09_0685B28: するときは平聲にして音ちようをもしと訓するとき
J09_0685B29: は上聲にして音ぢうなれとも通途に任せて此もちう
J09_0685B30: と讀むへし○衆苦ことことく消滅とは是れ迄は現在
J09_0685B31: の益なり以下は臨終の益也平生にも佛は來り玉へと
J09_0685B32: も臨終は大切なる故に佛自ら來迎し玉ふ喩へは人の
J09_0685B33: 親の隱居しても我か子や娘の處へは常常にも見迴に
J09_0685B34: 來る其中にも大晦日は大切なる故に心もと無ふ思ひ

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