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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0656A01: 愚見のをよふところ集編かくのことし。しかるに
J09_0656A02: 世中に黑谷の御作といふ文おほし。いはゆる决定
J09_0656A03: 往生行業抄。本願相應抄。安心起行作業抄。九條
J09_0656A04: の北の政所へ進する御返事。かの御返事に二通ありこれは三心をのせたろ本なり
J09_0656A05: この文ともは。餘の和語の書に。文章も似す。義
J09_0656A06: 勢もたかへりおほきにうたかひあるうへに。古人
J09_0656A07: 僞書と申つたへたり。しかれはこれをいれす。又
J09_0656A08: 廿二問答とて。廿六七張の文あり。又臨終行儀と
J09_0656A09: て。五六張の文あり。眞僞しりかたし。いささか
J09_0656A10: おほつかなきによりてこれをのそけり。又念佛得
J09_0656A11: 失義といふ文あり。上人の御作といへり。しかれと
J09_0656A12: もこれはまさしくあらぬ人のつくれる文也。この
J09_0656A13: ほかにまことしからぬ文二三本あり。中なかいふ
J09_0656A14: にたらぬ物とも也。をよそ二十餘年のあひた。あま
J09_0656A15: ねく花夷をたつね。くはしく眞僞をあきらめて。
J09_0656A16: これを取捨すといへとも。なをあやまる事おほか
J09_0656A17: らん。後賢かならすたたすへし。又おつるところ
J09_0656B18: の眞書あらは。この拾遺に續へし。心さすところ
J09_0656B19: は。衆生をして淨土の正路におもむかしめんかた
J09_0656B20: めなり。あなかしこあなかしこ 望西樓沙門了惠謹書
J09_0656B21:
J09_0656B22: 語燈錄瑞夢事
J09_0656B23: 嵯峨に貴女おはしき。後世をねかふ御心ふかくし
J09_0656B24: て。往生院の善導堂に御參籠ありて。往生をいのり
J09_0656B25: 申されけるに。御ゆめに。善導和尚一卷のまき物を
J09_0656B26: もちてこれはこと葉のともしひといふふみ也。これ
J09_0656B27: をみて念佛申さは。決定往生すへしとて。さつけさ
J09_0656B28: せ給へは。世にうれしくおほえて。うけとらせ給へ
J09_0656B29: は。ゆめさめぬ。ありかたくおほしめして。かかる
J09_0656B30: 文やあると諸方を御たつねあるに。すへてなし。さ
J09_0656B31: ては妄想にてやありつらんとて。かさねて御參籠あ
J09_0656B32: りて祈請申されける時。二尊院往生院兼參する本心
J09_0656B33: 房といふ僧。善導堂へまいりたりけるに。この事を
J09_0656B34: 御たつねありけれは。本心房申ていはく。ことはの

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