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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0630A01: あらす。御身をだしくして。念佛申させ給はんが
J09_0630A02: ためなり。下卷の用心抄のをはりを見あはすへし
J09_0630A03:
J09_0630A04: 示或女房法語
J09_0630A05: 念佛行者のぞんし候へきやうは。後世ををそれ往生
J09_0630A06: をねがひて念佛すれは。をはるときかならす來迎せ
J09_0630A07: させ給よしをそんして。念佛申より外のことは候は
J09_0630A08: す。三心と申候も。ふさねて申ときは。たた一の願
J09_0630A09: 心にて候なり。そのねがふ心のいつはらすかさらぬ
J09_0630A10: 方をは。至誠心と申候。この心の實にて念佛すれは
J09_0630A11: 臨終にらいかうすといふことを。一念もうたかはぬ
J09_0630A12: 方を。深心とは申候。このうへわが身もかの土へむ
J09_0630A13: まれんとおもひ。行業をも往生のためと向るを。廻
J09_0630A14: 向心とは申候なり。このゆへにねがふ心いつはらす
J09_0630A15: して。げに往生せむとおもひ候へは。をのつから三
J09_0630A16: 心はぐそくすることにて候也。抑中品下生に來迎の
J09_0630A17: 候はぬことはあるましければ。とかれぬにては候は
J09_0630B18: す。九品往生にをのをのみなあるへきことの畧せら
J09_0630B19: れてなき事も候也。善導の御心は。三心も品品にわ
J09_0630B20: たりてあるへしとみえて候。品品ごとにおほくのこ
J09_0630B21: と候へども。三心と來迎とはかならすあるへきにて
J09_0630B22: 候なり。往生をねかはん行者は。かならす三心をを
J09_0630B23: こすへきにて候へは。上品上生にこれをときて。餘
J09_0630B24: の品品をも。是になずらへてしるへしとみえて候。
J09_0630B25: 又われら戒品のふねいかだもやふれたれば。生死の
J09_0630B26: 大海をわたるへき縁も候はす。智惠のひかりもくも
J09_0630B27: りて。生死のやみもてらしがたけれは。聖道の得道
J09_0630B28: にももれたるわれらがために。ほとこし給他力と申
J09_0630B29: 候は。第十九の來迎の願にて候へは。文にみえす候
J09_0630B30: とても。かならす來迎はあるへきにて候也。ゆめゆめ
J09_0630B31: 御うたかひ候へからす。あなかしこあなかしこ
J09_0630B32: 源 空
J09_0630B33:
J09_0630B34: 拾遺黑谷語燈錄卷中

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