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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0629A01: 本願をとかんとおほしめす御意にて候へとも。衆生
J09_0629A02: の機縁にしたがひてときたまふ日は。餘の種種の行
J09_0629A03: をもとき給ふは。是隨機の法也。佛の自の御心のそ
J09_0629A04: こには候はす。されは念佛は。彌陀にも利生の本願
J09_0629A05: 釋迦にも出世の本懷也。餘の種種の行には似す候な
J09_0629A06: り。これは無智のものなれはといふへからす。又要
J09_0629A07: 文の事。書てまいらせ候へし。又熊谷の入道の文は
J09_0629A08: 是へとりよせ候て。なをすへき事の候へは。そのの
J09_0629A09: ちかきてまいらせ候へし。なに事も御文に申つくす
J09_0629A10: へくも候はす。のちの便宜に又又申候へし
J09_0629A11: 九月廿八日
J09_0629A12: まづきこしめすままに。いそきおほせられて候御心
J09_0629A13: さし申つくしかたく候。この例ならぬ事は。ことが
J09_0629A14: らはむつかしき樣に候へとも。當時大事にて。今日
J09_0629A15: あす左右すへき事にては。さりながらも候はぬに。
J09_0629A16: としころの風のつもり。この正月より別時念佛を五
J09_0629A17: 十日申て候しに。いよいよ風をひき候て。二月の十
J09_0629B18: 日ころより。すこし口のかはく樣におほえ候しか。
J09_0629B19: 二月の廿日は。五十日になり候しかは。それまてと
J09_0629B20: おもひ候て。なをしゐて候し程に。その事がまさり
J09_0629B21: 候て。水なとのむ事になり。又身のいたく候事なと
J09_0629B22: の候しか。今日まてなやみもやみ候はす。ながびき
J09_0629B23: て候へとも。又ただいまいかなるへしともおほえぬ
J09_0629B24: 程の事にて候也。醫師の大事と申候へは。やいとを
J09_0629B25: ふたたびし湯にてゆで候。又樣樣の唐のくすりたべ
J09_0629B26: などして候氣にや。このほとはちりばかりよき樣な
J09_0629B27: る事の候也。左右なくのほるへきなと仰られて候こ
J09_0629B28: そ。世にあはれ候へ。さ程とをく候程には。たとひ
J09_0629B29: いかなる事にても。のぼりなとし給候事はいかてか
J09_0629B30: 候へき。いづくにても念佛して。たがひに往生し候
J09_0629B31: ひなんこそ。めてたくながきはかり事にては候は
J09_0629B32: め。何事も御文にはつくしがたく候。又また申候へし
J09_0629B33: 四月廿六日
J09_0629B34: わたくしにいはく。これは命をおしむ御療治には

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