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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0604A01: 本願をたのみて。口に名號をとなふるこの一事のみ
J09_0604A02: 假令ならざる行也
J09_0604A03: ある人問ていはく。善導本願の文を釋し給ふに。至
J09_0604A04: 心信樂欲生我國の安心を略したまふ事。なに心かあ
J09_0604A05: るや
J09_0604A06: 答ての給はく。衆生稱念必得往生としりぬれは。自
J09_0604A07: 然に三心を具足するゆへに。このことはりをあらは
J09_0604A08: さんがために略し給へる也
J09_0604A09: ある人問ていはく。毎日の所作に。六萬十萬等の數
J09_0604A10: 遍をあてて不法なると。二萬三萬の數遍をあてて如
J09_0604A11: 法なると。いづれをか正とすへき
J09_0604A12: 答ての給はく。凡夫のならひ二萬三萬をあつといふ
J09_0604A13: とも。如法の義あるへからす。ただ數遍のおほから
J09_0604A14: んにしかず。詮ずるところ心をして相續せしめんが
J09_0604A15: ため也。かならずしもかずを沙汰するを要とするに
J09_0604A16: はあらす。ただ常念のためなり。數遍をさだめつる
J09_0604A17: は懈怠の因縁なるかゆへに。數遍をすすむる也
J09_0604B18: ある人問ていはく。上人の御房の申させたまふ御念
J09_0604B19: 佛は。念念ことにほとけの御意にあひかなひ候らん
J09_0604B20: とおぼえ候。智者にてましませは。くはしく名號の
J09_0604B21: 功德をもしろしめし。あきらかに本願のやうをも御
J09_0604B22: 意得あるがゆへにと
J09_0604B23: 答ての給はく。なんぢ本願を信する事まだしかりけ
J09_0604B24: り。彌陀如來の本願の名號は。木こりくさかり。な
J09_0604B25: つみ見づくみのたぐひごときのものの。内外ともに
J09_0604B26: かけて。一文不通なるが。となふれはかならすむまれ
J09_0604B27: なんと信じて。眞實に欣樂して。つねに念佛申を最
J09_0604B28: 上の機とす。もし智惠をもて生死をはなるへくは。
J09_0604B29: 源空なんぞ聖道門をすててこの淨土門におもむくべ
J09_0604B30: き。まさにしるへし聖道の修行は。智惠をきはめて
J09_0604B31: 生死をはなれ。淨土門の修行は。愚癡にかへりて極
J09_0604B32: 樂にむまると已上信空上人の傳説なり進行集よりいでたり
J09_0604B33: 信空上人又いはく。先師法然上人あさゆふをしへら
J09_0604B34: れし事也。念佛申にはまたく樣もなし。ただ申せは

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