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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0603A01: 朝暮に甚深の法門をとく也。但し念佛往生のむねを
J09_0603A02: しらざらん程は。これを學すへし。もしこれをしり
J09_0603A03: なは。いくばくならさる智惠をもとめて。稱名のい
J09_0603A04: とまをさまたぐへからす
J09_0603A05: ある時問ていはく。人おほく持齋をすすむ。この條
J09_0603A06: いかん
J09_0603A07: 答ての給はく。尼法師の食の作法は。もともしかるへ
J09_0603A08: しといへとも。當世は機すでにをとろへたり。食すで
J09_0603A09: に减したり。この分際をもて一食せは。心ひとへに食
J09_0603A10: 事をおもひて念佛しづかならじ。菩提心經にいはく。
J09_0603A11: 食菩提をさまたけず。心よく菩提をさまたぐといへ
J09_0603A12: り。そのうへは自身をあひはからふへきなりと
J09_0603A13: ある時問ていはく。往生の業にをいてはおもひさた
J09_0603A14: めをはりぬ。たたし一期の身のありさまをは。いか
J09_0603A15: やうにか存じ候へき
J09_0603A16: 答ての給はく。僧の作法は大小の戒律あり。しかり
J09_0603A17: といへとも末法の僧これにしたがはす。源空これを
J09_0603B18: いましむとも。たれの人かこれにしたがふへき。た
J09_0603B19: た詮するところは。念佛の相續するやうにあひはか
J09_0603B20: らふへし。往生のためには。念佛すてに正業也。こ
J09_0603B21: のむねをまもりて。あひはげむへきなり
J09_0603B22: ある人問ていはく。つねに廢惡修善のむねを存して
J09_0603B23: 念佛すると。つねに本願のむねをおもひて念佛する
J09_0603B24: といつれかすぐれて候
J09_0603B25: 答ての給はく。廢惡修善は。これ諸佛の通誡なりと
J09_0603B26: いへとも。當世のわれらことことく違背せり。若別
J09_0603B27: 意の弘願に乘ぜすは。生死をはなれかたきものか
J09_0603B28: ある人問ていはく。稱名の時心をほとけの相好にか
J09_0603B29: けん事。いかやうにか候へき
J09_0603B30: 答ての給はく。しからす。たた若我成佛。十方衆生。
J09_0603B31: 稱我名號。下至十聲。若不生者。不取正覺。彼佛今
J09_0603B32: 現在世成佛。當知本誓重願不虚。衆生稱念必得往生
J09_0603B33: とおもふはかり也。われらが分際をもて。佛の相好を
J09_0603B34: 觀すとも。さらに如説の觀にはあらじ。ただふかく

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