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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0602A01: をしたりき。いまはしからす。但信の稱名也と授手印决答よ
J09_0602A02: りいでたり
J09_0602A03: 又人目をかざらすして。往生の業を相續すれは。自
J09_0602A04: 然に三心は具足する也。たとへは葦のしげき池に。
J09_0602A05: 十五夜の月のやとりたるは。よそにては月やとりた
J09_0602A06: りとも見えねども。よくよくたちよりてみれは。あ
J09_0602A07: しまをわけてやどるなり。妄念のあしはしげげれと
J09_0602A08: も。三心の月はやどる也。これは故上人のつねにた
J09_0602A09: とへにおほせられし事也とかの二十八問答よりいでたり
J09_0602A10: ある時又の給はく。あはれこのたびしおほせはやな
J09_0602A11: と。その時乘願申さく。上人だにもかやうに不定げな
J09_0602A12: るおほせの候はんには。ましてその餘の人はいかか
J09_0602A13: 候へきと。その時上人うちわらひての給はく。蓮臺
J09_0602A14: にのらんまでは。いかでかこのおもひはたえ候へき
J09_0602A15: 閑亭問答集よりいでたり
J09_0602A16: 信空上人のいはく。ある時上人の給はく。淨土の人
J09_0602A17: 師おほしといへとも。みな菩提心をすすめて。觀察
J09_0602B18: を正とす。たた善導一師のみ。菩提心なくして。觀
J09_0602B19: 察をもて稱名の助業と判す。當世の人善導の意によ
J09_0602B20: らすは。たやすく往生をうへからす。曇鸞道綽懷感
J09_0602B21: 等。みな相承の人師なりといへとも。義にをいては
J09_0602B22: いまたかならすしも一凖ならす。よくよくこれを分
J09_0602B23: 別すへし。このむねをわきまへずは。往生の難易に
J09_0602B24: をいて存知しかたき物也と
J09_0602B25: ある時問ていはく。智惠のもし往生の要事となるへ
J09_0602B26: くは。正直におほせをかうふりて。修學をいとなむへ
J09_0602B27: し。又ただ稱名不足あるへからすは。そのむねを存す
J09_0602B28: へく候。たたいまのおほせを如來金言と存へく候
J09_0602B29: 答ていはく。往生の業は。これ稱名といふ事釋文分
J09_0602B30: 明也。有智無智をきらはすといふことはりまた顯然
J09_0602B31: 也。しかれは。往生のためには稱名足ぬとす。學問
J09_0602B32: をこのまんとおもはんよりは。たた一向念佛して往
J09_0602B33: 生をとぐへし。彌陀觀音勢至にあひたてまつらん時
J09_0602B34: いづれの法文か達せざらん。かのくこの莊嚴。晝夜

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