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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0601A01: へき
J09_0601A02: 上人答ての給はく。南無阿彌陀佛と申して。極樂を
J09_0601A03: 期するばかりこそ。しえつへき事と存して候へ
J09_0601A04: 僧都のいはく。それは形の樣に。さ候へきかと存して
J09_0601A05: 候。それにとりて。决定をせん料に申つるに候。それ
J09_0601A06: に念佛は申候へとも。心のちるをはいかがし候へき
J09_0601A07: 上人答ていはく。それは源空もちからをよび候はす
J09_0601A08: 僧都のいはく。さてそれをはいかがし候へき
J09_0601A09: 上人のいはく。ちれども名を稱すれは。佛の願力に
J09_0601A10: 乘じて。往生すべしとこそ意えて候へ。ただ詮ずる
J09_0601A11: ところ。おほらかに念佛を申候が第一の事にて候也
J09_0601A12: 僧都のいはく。かう候そうろう。これうけ給はりにまい
J09_0601A13: りつるに候とこれより前後には。いささかも詞なくていてられにけり
J09_0601A14: 上人又僧都退出の後。當座のひじりたちにかたりて
J09_0601A15: の給はく。欲界散地にむまれたるものはみな散心あ
J09_0601A16: り。たとへは人界の生をうけたる物の。目鼻のある
J09_0601A17: がことし。散心をすてて往生せんといはん事。その
J09_0601B18: ことはりしかるへからす。散心ながら念佛申すもの
J09_0601B19: か往生すれはこそ。めてたき本願にてはあれ。この
J09_0601B20: 僧都の念佛申せども。心のちるをはいかがすへきと
J09_0601B21: 不審せられつるこそ。いはれずおほゆれと云云
J09_0601B22:
J09_0601B23: 諸人傳説の詞 御歌附
J09_0601B24: 隆寬律師のいはく。法然上人のの給はく。源空も念
J09_0601B25: 佛の外に。毎日に阿彌陀經を三卷よみ候き。一卷は
J09_0601B26: 唐。一卷は吳一卷は訓なり。しかるにこの經に詮す
J09_0601B27: るところ。ただ念佛申せとこそとかれて候へは。い
J09_0601B28: まは一卷もよみ候はす。一向念佛を申候也と。隆寬
J09_0601B29: 毎日に阿彌陀經四十八卷よまれきすなはち意えて。やがて阿彌陀經をさ
J09_0601B30: しをきて。念佛三萬遍を申しきと進行集よりいてたり云云
J09_0601B31: 乘願上人のいはく。ある人問ていはく。色相觀は。
J09_0601B32: 觀經の説也。たとひ稱名の行人なりといふとも。こ
J09_0601B33: れは觀ずへへ候かいかん
J09_0601B34: 上人答ての給はく。源空もはしめはさるいたずら事

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