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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0541A01: 問。淨土の法門に。まづ何何を見て心づき候なん
J09_0541A02: 答。經には。雙卷。觀無量壽。小阿彌陀經等。是を
J09_0541A03: 淨土三部經となづく。文には。善導の觀經の疏。六
J09_0541A04: 時禮讃。觀念法門。道綽の安樂集。慈恩の西方要
J09_0541A05: 决。懷感の群疑論。天台の十疑論。わか朝の人師に
J09_0541A06: は惠心の往生要集なとこそは。つねに人のみるもの
J09_0541A07: にて候へ。たたし何を御覽ぜすとも。よく御意えあり
J09_0541A08: て念佛申させ給ひなんに。往生何事かうたかひ候へ
J09_0541A09:
J09_0541A10: 問。ざては念佛の安心をは。如何樣にかこころへ候
J09_0541A11: へき
J09_0541A12: 答。三心を具足せさせ給へ。その三心と申すは。一
J09_0541A13: には至誠心。二には深心。三には廻向發願心也。一
J09_0541A14: に至誠心といふは。眞實の心也。善導釋しての給は
J09_0541A15: く。至といふは眞の義。誠といふと實の義。眞實の
J09_0541A16: 心の中に。此三界六道の自他の依正二報をいとひす
J09_0541A17: てて。三業に修するところの行業に。かならす眞實
J09_0541B18: をもちひよ。外に賢善精進の相を現して。内に虚假
J09_0541B19: をいだくものは。日夜十二時につとめをこなふ事。
J09_0541B20: かうべの火をはらふがことくにするとも。往生をえず
J09_0541B21: と也。ただ内外明闇をえらはす。眞實をもちゆるゆ
J09_0541B22: へに至誠心となつく。二に深心といふは。ふかき信
J09_0541B23: 也。决定してふかく信せよ。自身は現に是罪惡生死
J09_0541B24: の凡夫也。曠劫よりこのかたつねに沒し。つねに流轉
J09_0541B25: して出離の縁ある事なしと。又决定してふかく信せ
J09_0541B26: よ。彼阿彌陀佛。四十八願をもて衆生を攝受し給
J09_0541B27: ふ。うたかひなくうらおもひなけれは。かの願力に
J09_0541B28: 乘してさためて往生すと。あふぎねかはくは。佛の
J09_0541B29: ことはをはふかく信せよ。若一切の智者百千万人きた
J09_0541B30: りて。經論の證をひきて。一切の凡夫念佛して往生
J09_0541B31: する事をえすといはんに。一念の疑退の心を。をこす
J09_0541B32: へからす。たたこたへていふへし。なんぢかひくと
J09_0541B33: ころの經論はなんちか。有縁の敎なり。わか信する
J09_0541B34: ところは。わか有縁の敎なり。今ひく所の經論は。

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