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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0507A01: いふとも。かまへて南無阿彌陀佛の六字の中に。貪
J09_0507A02: 等の煩惱ををこすまじき也
J09_0507A03: 一われは阿彌陀佛をこそたのみたれ。念佛をこそ信
J09_0507A04: じたれとて。諸佛菩薩の悲願をかろしめたてまつ
J09_0507A05: り。法華般若等の。めてたき經ともを。わろくおも
J09_0507A06: ひそしる事はゆめゆめあるへからず。よろづのほと
J09_0507A07: けたちを。そしり。もろもろの聖敎をうたかひそし
J09_0507A08: りたらんずるつみは。まづ阿彌陀佛の御心にかなふ
J09_0507A09: まじければ。念佛すとも悲願にもれん事は一定也
J09_0507A10: 一つみをつくらじと身をつつしみてよからんとする
J09_0507A11: は。阿彌陀ほとけの願をかろしむるにてこそあれ。
J09_0507A12: 又念佛をおほく申さんとて。日日に六萬遍などをく
J09_0507A13: りゐたるは。他力をうたがふにてこそあれといふ事
J09_0507A14: のおほくきこゆる。かやうのひが事ゆめゆめもちふ
J09_0507A15: へからずまづいづれのところにか。阿彌陀佛はつみ
J09_0507A16: つくれとすすめ給ひける。ひとへにわが身に惡をも
J09_0507A17: とどめえず。つみのみつくりゐたるままに。かかる
J09_0507B18: ゆくゑほとりもなき虚言をたくみいだして。物もし
J09_0507B19: らぬ男女のともからを。すかしほらかして。罪業を
J09_0507B20: すすめ。煩惱ををこさしむる事。返返天魔のたぐひ
J09_0507B21: なり。外道のしわざ也。往生極樂のあたかたきなり
J09_0507B22: とおもふべし。又念佛のかすをおほく申すものを。自
J09_0507B23: 力をはげむといふ事。これ又ものもおほえずあさま
J09_0507B24: しきひが事也。ただ一念二念をとなふとも。自力の
J09_0507B25: 心ならん人は。自力の念佛とすへし。千遍萬遍をと
J09_0507B26: なふとも。百日千日よるひるはげみつとむとも。ひ
J09_0507B27: とへに願力をたのみ。他力をあふきたらん人の念佛
J09_0507B28: は。聲聲念念しかしなから他力の念佛にてあるへし。
J09_0507B29: されば三心ををこしたる人の念佛は。日日夜夜時時
J09_0507B30: 剋剋にとなふれとも。しかしなから願力をあふき。
J09_0507B31: 他力をたのみたる心にてとなへゐたれは。かけても
J09_0507B32: ふれても。自力の念佛とはいふへからす
J09_0507B33: 一三心と申す事をしりたる人の念佛に。三心具足し
J09_0507B34: てあらん事は左右にをよばず。つやつや三心の名を

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