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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0474A01: 聲决定してむまると眞實に解て行するこれなり。ほ
J09_0474A02: かには本願を信する相を現し。うちには疑心をいた
J09_0474A03: く。これは不眞實の心なり。深心はふかく信する心
J09_0474A04: 也。决定してふかく自身は現にこれ罪惡生死の凡夫
J09_0474A05: なり。曠劫よりこのかたつねに流轉して出離の縁な
J09_0474A06: しと信じ、决定してふかくこの阿彌陀如來。四十八
J09_0474A07: 願をもて衆生を攝取し給ふ事。うたかひなくおもん
J09_0474A08: ばかりなけれは。かの願力に乘してさためて往生す
J09_0474A09: る事をうと信すへしといへり。はしめにまづ罪惡生
J09_0474A10: 死の凡夫。曠劫よりこのかた出離の縁ある事なしと
J09_0474A11: 信せよといへるは。これすなはち斷善闡提のことく
J09_0474A12: なるもの也。かかる衆生の一念十念すれは。無始よ
J09_0474A13: りこのかたいまだいでさる生死の輪廻をいでて。か
J09_0474A14: の極樂世界の不退の國土にむまるといふによりて信
J09_0474A15: 心はおこるべきなり。をよそほとけの別願の不思議
J09_0474A16: はこれ凡心のはかるところにあらす。唯佛と佛との
J09_0474A17: みよくしり給へり。阿彌陀佛の名號をとなふるによ
J09_0474B18: て。五逆十惡ことことくむまるといふ別願の不思議
J09_0474B19: のちからまします。たれかこれをうたがふべき。善
J09_0474B20: 導の疏にいはく。あるひは人ありて。なんち衆生曠劫
J09_0474B21: よりこのかた。をよひ今生の身口意業に。一切の凡聖
J09_0474B22: の身のうへにをいて。つぶさに十惡五逆四重謗法闡
J09_0474B23: 提破戒破見等のつみをつくりて。いまたのぞきつく
J09_0474B24: す事あたはす。しかもこれらのつみは三界惡道に繫
J09_0474B25: 屬す。いかんそ一生の修福念佛をもて。すなはちか
J09_0474B26: の無漏無生の國にいりて。ながく不退のくらゐを證
J09_0474B27: 悟する事をえんやといはば。いふべし。諸佛の敎行
J09_0474B28: はかす塵沙にこえたり。禀識の機縁隨情ひとつにあ
J09_0474B29: らず。たとへは世間の人のまなこに見つへく信しつ
J09_0474B30: へきがこときは。明よく暗を破し。空よく有をふく
J09_0474B31: む。地よく載養し。水よく生潤し。火よく成壞する
J09_0474B32: がことし。かくのごときらの事ことことく待對の法
J09_0474B33: となづく。すなはちみつから見るべし千差萬別な
J09_0474B34: り。いかにいはんや佛法不思議のちから。あに種種

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