浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0294A01: | は多て。素意を遂ぐるは至て少なし。又起行は一向 |
J09_0294A02: | なれども。安心の一向ならざるは。雲棲大師の竹窓隨 |
J09_0294A03: | 筆。及往生集等に。下機に對して。此世の祈りの爲に |
J09_0294A04: | も。餘法を用ひず。念佛を以。祈れと云はれたる。又勸 |
J09_0294A05: | 化本義上廿一紙。云有人西山流義俊鳳和尚一向專修と號して。勸め |
J09_0294A06: | て云やう。現世の祈願。一向に捨ること能はずんば。 |
J09_0294A07: | 三萬六萬は。往生の料に備へ。別に心を用ひて。百 |
J09_0294A08: | 聲千聲。現世の爲にあつべし。堅く餘佛餘法を。念 |
J09_0294A09: | 持すること勿れと。是等は起行の一向に泥ミて。安心 |
J09_0294A10: | の一向を忘れたり。若縁にふれて。かかる説を聞く |
J09_0294A11: | とも。決して夫に妨られず。安心も起行も。共に一向 |
J09_0294A12: | になれと云。宗祖大師の。御遺訓を信受して。順次 |
J09_0294A13: | 往生の大益を得べきなり。已上本文五科の。第五結勸 |
J09_0294A14: | の。第二示本願專修法の科を畢。 |
J09_0294A15: | 上來談ぜし本文。五科の大旨。初段には。和漢兩朝の |
J09_0294A16: | 古來の諸師達の。本願念佛を觀念ぞ義解の念佛ぞと。 |
J09_0294A17: | 云謬りを拂ひ。二段には。願行相續の正義を示し。 |
J09_0294B18: | 三段には願行相續の念佛の中には。三心も四修も。 |
J09_0294B19: | 悉く籠ることを示して。疑を通じ。四段には誓を立て |
J09_0294B20: | て。願行相續の外なきことを。決信せしめ。五段に |
J09_0294B21: | は。上に示す本願稱名の。正義を結勸し給へり。斯の |
J09_0294B22: | 如く。段段鈎鏁し。首尾相應して。文に盈縮なく。意 |
J09_0294B23: | 義明白なれば。更に紛るる曲あることなし。文の面は |
J09_0294B24: | やすらかに。安心起行をのみ勸め給ひて。詞に巧める |
J09_0294B25: | 色もなくて。而も自然に諸の滅後の邪義を。殘なく防 |
J09_0294B26: | き盡し給へり。文章の巧みなるには。詞にさとり難き |
J09_0294B27: | 曲などもあるものなるに。いかに愚なる男女迄も。 |
J09_0294B28: | さらさらと讀下せば。安心起行。詞の下にたやすく |
J09_0294B29: | 定りて。更に疑ふ所なし。是倍倍文章の玅なり。爾 |
J09_0294B30: | れば。念佛の行者は。常に拜讀をもなし。護持珍敬 |
J09_0294B31: | して。此趣を守り。一期不退に相續し。人界受生の |
J09_0294B32: | 一大事。順次往生の素懷を。遂ぐべき也。 |
J09_0294B33: | 爲證以兩手印 |
J09_0294B34: | 從來御遺誓を講ずるに。大段六科を分。第四手印の |