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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0293A01: なる顚倒ぞや。深く慚愧をいだきて。御遺誓を信受
J09_0293A02: し。生得の愚鈍に立還り。やすらかに相續すべきな
J09_0293A03: り。已上本文に五科ある。結勸の第一示正所被機
J09_0293A04: の科を畢。
J09_0293A05: 唯一向に念佛すべし
J09_0293A06: 本文に五科ある。第五結勸の。第二示本願專修
J09_0293A07: 法の科なり。此一向と云は。二向三向に對する言に
J09_0293A08: して。和語にはひたすらと訓じて餘を兼ねぬなり。さ
J09_0293A09: れば。大師選擇集第四章段に。天竺の一向大乘寺。一
J09_0293A10: 向小乘寺。大小兼學寺の得名を以。釋成し給へるが如
J09_0293A11: 云云。さて此一向に。安心の一向と。起行の一向と
J09_0293A12: あり。此御遺誓にて云へば上の唯往生極樂の爲には
J09_0293A13: と云は。安心の一向の義なり。今の文に。唯一向に念
J09_0293A14: 佛すべしと云は。起行の一向の義なり。其明文は。
J09_0293A15: 群疑論に。廢餘一切諸願諸行唯願唯行西方一行
J09_0293A16: と釋し給へる是なり。廢餘一切諸願唯願西方と
J09_0293A17: 云が。安心の一向。廢餘一切諸行唯行西方一行
J09_0293B18: と云が。起行の一向にて。餘の一切の諸願と云は。
J09_0293B19: 十方淨土。及び兜卒の往生。止觀參究。祈念祈禱。
J09_0293B20: 御禮報謝等が。餘の方へふりむくるなり。廢餘一切
J09_0293B21: 諸行とは。經を讀み陀羅尼を誦し。觀念をなす等。總
J09_0293B22: じて世出世の萬行を云なり。是等の諸願諸行をなさ
J09_0293B23: ず。安心も起行も。共に一向なるを一向專修の行者と
J09_0293B24: 云て。此御遺誓を信受せし。順次上品往生の。正機と
J09_0293B25: 云なり。然るに古來此旨にくらく。安心の一向なるは
J09_0293B26: 起行の一向を欠き。又起行の一向なるは。安心の一向
J09_0293B27: を欠く。總じて云に善導大師御出現已前に。唐土に一
J09_0293B28: 向專修なく。元祖大師御出世已前に。日本に一向專
J09_0293B29: 修なし。知と欲せば。兩大師御出世已前の往生人を
J09_0293B30: 見よ。唯安心の一向なるのみにて。起行の一向なる
J09_0293B31: はなく。皆餘行にわたるなり。而往生を遂たるは。
J09_0293B32: 世もあがり人も上根にして。勇猛強盛の。如説修
J09_0293B33: 行なる故。別願をからずして。往生せり。されども。
J09_0293B34: 百に一二。千に五三の。雜行往生なれば。願生の人

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