浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0293A01: | なる顚倒ぞや。深く慚愧をいだきて。御遺誓を信受 |
J09_0293A02: | し。生得の愚鈍に立還り。やすらかに相續すべきな |
J09_0293A03: | り。已上本文に五科ある。結勸の第一示正所被機 |
J09_0293A04: | の科を畢。 |
J09_0293A05: | 唯一向に念佛すべし |
J09_0293A06: | 本文に五科ある。第五結勸の。第二示本願專修 |
J09_0293A07: | 法の科なり。此一向と云は。二向三向に對する言に |
J09_0293A08: | して。和語にはひたすらと訓じて餘を兼ねぬなり。さ |
J09_0293A09: | れば。大師選擇集第四章段に。天竺の一向大乘寺。一 |
J09_0293A10: | 向小乘寺。大小兼學寺の得名を以。釋成し給へるが如 |
J09_0293A11: | し云云。さて此一向に。安心の一向と。起行の一向と |
J09_0293A12: | あり。此御遺誓にて云へば上の唯往生極樂の爲には |
J09_0293A13: | と云は。安心の一向の義なり。今の文に。唯一向に念 |
J09_0293A14: | 佛すべしと云は。起行の一向の義なり。其明文は。 |
J09_0293A15: | 群疑論に。廢餘一切諸願諸行唯願唯行西方一行 |
J09_0293A16: | と釋し給へる是なり。廢餘一切諸願唯願西方と |
J09_0293A17: | 云が。安心の一向。廢餘一切諸行唯行西方一行 |
J09_0293B18: | と云が。起行の一向にて。餘の一切の諸願と云は。 |
J09_0293B19: | 十方淨土。及び兜卒の往生。止觀參究。祈念祈禱。 |
J09_0293B20: | 御禮報謝等が。餘の方へふりむくるなり。廢餘一切 |
J09_0293B21: | 諸行とは。經を讀み陀羅尼を誦し。觀念をなす等。總 |
J09_0293B22: | じて世出世の萬行を云なり。是等の諸願諸行をなさ |
J09_0293B23: | ず。安心も起行も。共に一向なるを一向專修の行者と |
J09_0293B24: | 云て。此御遺誓を信受せし。順次上品往生の。正機と |
J09_0293B25: | 云なり。然るに古來此旨にくらく。安心の一向なるは |
J09_0293B26: | 起行の一向を欠き。又起行の一向なるは。安心の一向 |
J09_0293B27: | を欠く。總じて云に善導大師御出現已前に。唐土に一 |
J09_0293B28: | 向專修なく。元祖大師御出世已前に。日本に一向專 |
J09_0293B29: | 修なし。知と欲せば。兩大師御出世已前の往生人を |
J09_0293B30: | 見よ。唯安心の一向なるのみにて。起行の一向なる |
J09_0293B31: | はなく。皆餘行にわたるなり。而往生を遂たるは。 |
J09_0293B32: | 世もあがり人も上根にして。勇猛強盛の。如説修 |
J09_0293B33: | 行なる故。別願をからずして。往生せり。されども。 |
J09_0293B34: | 百に一二。千に五三の。雜行往生なれば。願生の人 |