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J1350 一枚起請弁述 義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0129A01: ぬ也如何程の智者にても彌陀を賴む當躰は一文不知
J09_0129A02: の愚者とかはる事はなき也
J09_0129A03: 尼入道の無智の輩とは在家の髮をそり髻をきりた
J09_0129A04: る尼禪門の東西を辨へさる輩只一筋に助け給へ南無
J09_0129A05: 阿彌陀佛と云ふに少しもかはらぬことを云ふ也故に阿
J09_0129A06: 彌陀經にこの念佛を不可思議功德とは説相明か也そ
J09_0129A07: の上善導の御釋にも釋迦の能説の敎法さへ難曉と釋
J09_0129A08: し給ふ也
J09_0129A09: 一向に念佛すへしとは一向の言は餘行を雜へす生
J09_0129A10: 因本願の唯稱名の一行を修せよと也淨土宗の安心は
J09_0129A11: これより外にはなし三心四修五念抔云ふことあれと
J09_0129A12: も皆助け給へ南無阿彌陀佛に籠りて別の子細はなし
J09_0129A13: これを何やらことごとしく三心と云ふは何何と取り
J09_0129A14: 擴くれは如何程にも云はるへしと雖それは盡きす畢
J09_0129A15: 竟三心も四修も五念も皆南無阿彌陀佛也この外に習
J09_0129A16: ふことあれは元祖は地獄に落ち給ふへき也上人地獄
J09_0129A17: に落ち給はすんはそう云ふ人そ落つへき也元祖は道
J09_0129B18: 心深き人なれは能く出離生死を祈り給ふ決して卒爾
J09_0129B19: なることはなき也然れは淨土宗は明か也隱し事はな
J09_0129B20: し念佛をよく申す人を鏡としそれを敎とすれは元祖
J09_0129B21: に背かさる也元祖に背かされは決定して往生を遂く
J09_0129B22: る也
J09_0129B23: さて幸なるかな此書今淨土宗の黑谷にあり御忌に掛
J09_0129B24: る也上人の御自筆なれは別して難有事也上人病臥の
J09_0129B25: ことなれは言付けても書かせ給ふへきに末代のため
J09_0129B26: と思召して自ら筆を取り書き給ひし也龜鏡とはうら
J09_0129B27: なひする時の龜の如く見善惡如鏡と云ふ心也上人
J09_0129B28: の一枚消息とはただ紙一枚の文なれば一枚と云ふ消息
J09_0129B29: の事は前に出たりまた一枚起請とも云ふ也これを起
J09_0129B30: 請と云ふは文の中に二尊の憐みにはづれ本願にもれ
J09_0129B31: 候へしとある故に二尊を證にとり往生の大事をかけ
J09_0129B32: たる誓言也されは起請の名は上人の御素意にもとづ
J09_0129B33: き一枚の字は後人のよぶ所也選擇要決の中にも最後
J09_0129B34: の遺誓とある也誓とは起請の事也九卷傳にこれは勢

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