浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0127A01: | て申す念佛には三心も四修も皆籠る也往生の決定せ |
J09_0127A02: | ぬ人には籠らぬ也こもるとは籠るの字にて中にこも |
J09_0127A03: | る也籠るは備へ也と云うて其備へ樣は南無阿彌陀佛 |
J09_0127A04: | と申すに僞り飾らさるに至誠心籠る也此念佛を申す |
J09_0127A05: | は何故そとなれは決定往生のためにと信して疑なく |
J09_0127A06: | 南無阿彌陀佛と申す所に深心も籠る也唱ふるは何故 |
J09_0127A07: | そと有れは往生したしと思ふ所に即ち廻向心も備る |
J09_0127A08: | 也四修の事を云へは今日より息のきるる迄申すは長 |
J09_0127A09: | 時修也きれめなく相續して申すか無間修也不定の思 |
J09_0127A10: | ひなく念佛計り申して居るは無餘修也阿彌陀如來へ |
J09_0127A11: | 歸命して申すか恭敬修也心に極樂に往きたしと思ひ |
J09_0127A12: | 本願に任せ口に南無阿彌陀佛と唱ふる念佛の上に三 |
J09_0127A13: | 心も四修も自から備はる也三心も四修も知らぬ者の |
J09_0127A14: | 唱ふる念佛に三心も四修も皆籠る也それ故元祖上人 |
J09_0127A15: | も源空か目には三心も四修も皆南無阿彌陀佛五念も |
J09_0127A16: | 南無阿彌陀佛三心四修五念皆南無阿彌陀佛と見ゆる |
J09_0127A17: | そと仰せられたり是れは元祖より鎭西へ御相傳の一 |
J09_0127B18: | 大事の口傳也然れは決定して南無阿彌陀佛にて往生 |
J09_0127B19: | するそと思ふ内に皆籠る也其心より申す念佛には三 |
J09_0127B20: | 心も四修も五念も何時の間にやら自から備はり居る |
J09_0127B21: | もの也 |
J09_0127B22: | 此外に奧深き等とは上來所述の如しと雖疑ひ多き |
J09_0127B23: | 凡夫なるか故に別に大切の弟子にはひそかに大事の |
J09_0127B24: | 口傳も密説もあらむかと思ふへきか故に誓ひ給ふ誓 |
J09_0127B25: | 言は大事也律にはむさと立つる抔云ふ事ありかりそ |
J09_0127B26: | めの事には立てぬ也今時は色のゆかりの戀情にも誓 |
J09_0127B27: | 言起請抔云ふことあり恐しきこと也一切經の初に如是我 |
J09_0127B28: | 聞とあるも證信序にして衆生の疑妄を散せんかため |
J09_0127B29: | 也又諸佛舌相の證誠も誓言起請の如くにして衆生の |
J09_0127B30: | 疑ひを除かんかため也日本にても天照大神と素盞嗚 |
J09_0127B31: | 尊との間に誓ひあり云云慈惠僧正起請の事も徒然草 |
J09_0127B32: | に載せある也慈惠僧正坂本に小家を結ひ悲母をおき |
J09_0127B33: | 給ふ諸人惡名す故に諸佛諸神を勸請し乃ち起請文を |
J09_0127B34: | 書き給へは諸人の惡名三日にして止む其樣子今に山 |