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J1350 一枚起請弁述 義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0127A01: て申す念佛には三心も四修も皆籠る也往生の決定せ
J09_0127A02: ぬ人には籠らぬ也こもるとは籠るの字にて中にこも
J09_0127A03: る也籠るは備へ也と云うて其備へ樣は南無阿彌陀佛
J09_0127A04: と申すに僞り飾らさるに至誠心籠る也此念佛を申す
J09_0127A05: は何故そとなれは決定往生のためにと信して疑なく
J09_0127A06: 南無阿彌陀佛と申す所に深心も籠る也唱ふるは何故
J09_0127A07: そと有れは往生したしと思ふ所に即ち廻向心も備る
J09_0127A08: 也四修の事を云へは今日より息のきるる迄申すは長
J09_0127A09: 時修也きれめなく相續して申すか無間修也不定の思
J09_0127A10: ひなく念佛計り申して居るは無餘修也阿彌陀如來へ
J09_0127A11: 歸命して申すか恭敬修也心に極樂に往きたしと思ひ
J09_0127A12: 本願に任せ口に南無阿彌陀佛と唱ふる念佛の上に三
J09_0127A13: 心も四修も自から備はる也三心も四修も知らぬ者の
J09_0127A14: 唱ふる念佛に三心も四修も皆籠る也それ故元祖上人
J09_0127A15: も源空か目には三心も四修も皆南無阿彌陀佛五念も
J09_0127A16: 南無阿彌陀佛三心四修五念皆南無阿彌陀佛と見ゆる
J09_0127A17: そと仰せられたり是れは元祖より鎭西へ御相傳の一
J09_0127B18: 大事の口傳也然れは決定して南無阿彌陀佛にて往生
J09_0127B19: するそと思ふ内に皆籠る也其心より申す念佛には三
J09_0127B20: 心も四修も五念も何時の間にやら自から備はり居る
J09_0127B21: もの也
J09_0127B22: 此外に奧深き等とは上來所述の如しと雖疑ひ多き
J09_0127B23: 凡夫なるか故に別に大切の弟子にはひそかに大事の
J09_0127B24: 口傳も密説もあらむかと思ふへきか故に誓ひ給ふ誓
J09_0127B25: 言は大事也律にはむさと立つる抔云ふ事ありかりそ
J09_0127B26: めの事には立てぬ也今時は色のゆかりの戀情にも誓
J09_0127B27: 言起請抔云ふことあり恐しきこと也一切經の初に如是我
J09_0127B28: 聞とあるも證信序にして衆生の疑妄を散せんかため
J09_0127B29: 也又諸佛舌相の證誠も誓言起請の如くにして衆生の
J09_0127B30: 疑ひを除かんかため也日本にても天照大神と素盞嗚
J09_0127B31: 尊との間に誓ひあり云云慈惠僧正起請の事も徒然草
J09_0127B32: に載せある也慈惠僧正坂本に小家を結ひ悲母をおき
J09_0127B33: 給ふ諸人惡名す故に諸佛諸神を勸請し乃ち起請文を
J09_0127B34: 書き給へは諸人の惡名三日にして止む其樣子今に山

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