浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0126A01: | されどそれは淨土に往生して後の詮義也 |
J09_0126A02: | 疑なく等とは淨土宗にては聲を打上て申計りにて習 |
J09_0126A03: | ひも口傳もなし一向に疑なく申す外には別の子細は |
J09_0126A04: | なき也疑なしとは深心也此處にて三心を見よ肝要の |
J09_0126A05: | 深心を擧けて三心の安心を顯す也疑なく往生するそ |
J09_0126A06: | と思ひ取りて申すは譬へて云はは嬰兒乳を呑まんと |
J09_0126A07: | 欲して泣くか如し是れ親を欺かんかために泣くにあ |
J09_0126A08: | らす泣けは呑せくるる事と心得て泣く許り也呑みた |
J09_0126A09: | き心にて泣くか廻向心也呑してやるまいかとの疑な |
J09_0126A10: | く泣くか深心也人見せのために泣くにはあらす飾る |
J09_0126A11: | 心は爰にはなき也是れ至誠心也念佛を申すも亦然な |
J09_0126A12: | り是れにて往生するぞと疑なく但た聲を打立て申す |
J09_0126A13: | か三心具足の稱名也如何樣の者にても助かると打任 |
J09_0126A14: | すれは佛なさしめ給ふ故に往生せすと云ふ事なしと |
J09_0126A15: | 思ひ取て申すより外に別の子細なきが淨土宗の安心 |
J09_0126A16: | 也思ひ取てとは心に決定して思ひ入てとの意也斯く |
J09_0126A17: | 思ひ入て申す外には別の子細候はすと思ひ取て申す |
J09_0126B18: | か安心也 |
J09_0126B19: | 申外には等とはこれより後には何もなき也念佛は |
J09_0126B20: | 誰が申させるぞとならは疑なく往生するそと思ひ取 |
J09_0126B21: | りたる心より申す也これより何の穿義なくこの上に |
J09_0126B22: | 甚深なる口傳も相傳もなき也是れ迄にて一枚起請は |
J09_0126B23: | すむ也 |
J09_0126B24: | 但し三心四修等とは是より下は疑を遮する也否何 |
J09_0126B25: | 事もなしとは云はれさるへし三心四修抔云ふ事あり |
J09_0126B26: | 觀經には具三心者必生彼國と説き善導は若少一心即 |
J09_0126B27: | 不得生と判し元祖は念佛行者必可具足三心と述へ給 |
J09_0126B28: | ふ又禮讃に四修の法を示し選擇また此法を勸む又安 |
J09_0126B29: | 心起行作業抔と云て樣樣の事あり如何にして別の子 |
J09_0126B30: | 細なしと云ひ得へきやとの疑ひある故に但し三心已 |
J09_0126B31: | 下の文はこの疑を遮する也斯の如く三心四修と申す |
J09_0126B32: | 事の候も決定して南無阿彌陀佛にて往生するそと思 |
J09_0126B33: | ふ内に籠り候也此處の決定と上の思ひ取ると云ふか |
J09_0126B34: | 同じ事也大地は打ちはずすとも往生するぞと決定し |