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J1350 一枚起請弁述 義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0126A01: されどそれは淨土に往生して後の詮義也
J09_0126A02: 疑なく等とは淨土宗にては聲を打上て申計りにて習
J09_0126A03: ひも口傳もなし一向に疑なく申す外には別の子細は
J09_0126A04: なき也疑なしとは深心也此處にて三心を見よ肝要の
J09_0126A05: 深心を擧けて三心の安心を顯す也疑なく往生するそ
J09_0126A06: と思ひ取りて申すは譬へて云はは嬰兒乳を呑まんと
J09_0126A07: 欲して泣くか如し是れ親を欺かんかために泣くにあ
J09_0126A08: らす泣けは呑せくるる事と心得て泣く許り也呑みた
J09_0126A09: き心にて泣くか廻向心也呑してやるまいかとの疑な
J09_0126A10: く泣くか深心也人見せのために泣くにはあらす飾る
J09_0126A11: 心は爰にはなき也是れ至誠心也念佛を申すも亦然な
J09_0126A12: り是れにて往生するぞと疑なく但た聲を打立て申す
J09_0126A13: か三心具足の稱名也如何樣の者にても助かると打任
J09_0126A14: すれは佛なさしめ給ふ故に往生せすと云ふ事なしと
J09_0126A15: 思ひ取て申すより外に別の子細なきが淨土宗の安心
J09_0126A16: 也思ひ取てとは心に決定して思ひ入てとの意也斯く
J09_0126A17: 思ひ入て申す外には別の子細候はすと思ひ取て申す
J09_0126B18: か安心也
J09_0126B19: 申外には等とはこれより後には何もなき也念佛は
J09_0126B20: 誰が申させるぞとならは疑なく往生するそと思ひ取
J09_0126B21: りたる心より申す也これより何の穿義なくこの上に
J09_0126B22: 甚深なる口傳も相傳もなき也是れ迄にて一枚起請は
J09_0126B23: すむ也
J09_0126B24: 但し三心四修等とは是より下は疑を遮する也否何
J09_0126B25: 事もなしとは云はれさるへし三心四修抔云ふ事あり
J09_0126B26: 觀經には具三心者必生彼國と説き善導は若少一心即
J09_0126B27: 不得生と判し元祖は念佛行者必可具足三心と述へ給
J09_0126B28: ふ又禮讃に四修の法を示し選擇また此法を勸む又安
J09_0126B29: 心起行作業抔と云て樣樣の事あり如何にして別の子
J09_0126B30: 細なしと云ひ得へきやとの疑ひある故に但し三心已
J09_0126B31: 下の文はこの疑を遮する也斯の如く三心四修と申す
J09_0126B32: 事の候も決定して南無阿彌陀佛にて往生するそと思
J09_0126B33: ふ内に籠り候也此處の決定と上の思ひ取ると云ふか
J09_0126B34: 同じ事也大地は打ちはずすとも往生するぞと決定し

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