浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0125A01: | は唯聲を打上て助け給へ南無阿彌陀佛と申すより外 |
J09_0125A02: | には別の子細なし何か甚深らしき事のあるは法藏本 |
J09_0125A03: | 願の念佛にはあらすと心得よ念佛に就て稱名或は事 |
J09_0125A04: | 理觀念佛なと種種むつかしきことある故に今先つそれ |
J09_0125A05: | を云ひ分る也大唐にては淨影天台等の師念佛を弘め |
J09_0125A06: | 給へとも或は事或は理にして其趣き一樣にあらす此 |
J09_0125A07: | 事觀經の疏の中にあり云ふへくんは云ふへしと雖畢 |
J09_0125A08: | 竟不用の事也日本にては行基空也惠心本願を知らぬ事てはなけれともふり |
J09_0125A09: | すすいてはなき也永觀良忍等の師各念佛を弘め給へとも多くは |
J09_0125A10: | 觀念を本とし觀念の勝るる旨をのべ給ふ故にそれ等 |
J09_0125A11: | の念佛を簡て觀念の念にもあらすと仰せられたり一 |
J09_0125A12: | 向專念と立て事觀にもあらす理觀にもあらすと選ひ |
J09_0125A13: | 捨つるは釋迦佛の選ひ捨て給ふ也 |
J09_0125A14: | 又學文をして念の心を悟りて申念佛にもあらすと |
J09_0125A15: | は心を悟りて能く念する義也此能念の念は自ら發る |
J09_0125A16: | か他より發るか自他共して發るかと押へ見るに畢竟 |
J09_0125A17: | 三世不可得也抔と左樣に能念の念を悟りて申す念佛 |
J09_0125B18: | にはあらさる也扨て上人の念佛惡しと云にはあらす |
J09_0125B19: | 何れも皆出離得脱の道具也然れは是れ亦惡しき事に |
J09_0125B20: | はあらされど法藏の本意釋迦の隨自意諸佛の證誠本 |
J09_0125B21: | 願の旨淨土の意にはあらさる也結構なる事なれとも |
J09_0125B22: | 御本願にはあらさる也華嚴の海雲比丘の如きは念の |
J09_0125B23: | 心を悟る念佛也理の念佛も觀念の念佛もある也 |
J09_0125B24: | 唯往生等とは先つ此法藏菩薩の念佛は極樂往生の |
J09_0125B25: | ために發し給へるものにして成佛のために立て給ふ |
J09_0125B26: | 念佛にはあらす故に唯往生極樂のためには等と云也 |
J09_0125B27: | 娑婆成佛のためならは觀なりとも理なりとも云ふへ |
J09_0125B28: | き也彌陀の本願釋尊の隨自意は唯往生のために備へ |
J09_0125B29: | 給へる念佛也これは稱名とて唱ふる事也善導は念は |
J09_0125B30: | 聲なりと判し給へり餘事ならは何なりとも云はるへ |
J09_0125B31: | し唯往生極樂のためには南無阿彌陀佛と申すへき也 |
J09_0125B32: | 若し成佛のためならは觀念抔は遮せさるかと云ふに |
J09_0125B33: | 然らす先つ極樂に行く迄か淨土の修行也成佛の修行 |
J09_0125B34: | は極樂にてなす事也淨土宗とて成佛せすとは云はす |