ウィンドウを閉じる

J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0119A01: を知り其より博く淨土の經論疏記を披閲し・遂に念
J09_0119A02: 佛の行者と成給ふ・是れを以て思ふに・利生の志深
J09_0119A03: くは・いよいよ極樂往生を期し・上輩の人と成らん
J09_0119A04: 事を求むべし
J09_0119A05: このほかにおくふかきことをそんせは二尊のあ
J09_0119A06: はれみにはつれ本願にもれ候へし
J09_0119A07: 此誓言ある故に・此遺誡を・世に一枚起請と號す・
J09_0119A08: 淨土宗鎭西の流義に・五重相傳と云事あり・奧深き
J09_0119A09: 事のあるにはあらず・安心請決に云相傳と云ふは・
J09_0119A10: 智慧才覺にもよらず申せば生ずると云事を傳ふる
J09_0119A11: 也・云云・
J09_0119A12: 念佛を信せん人はたとひ一代の法をよくよく學
J09_0119A13: すとも一文不知の愚鈍の身になして尼入道の無
J09_0119A14: 智の輩に同うしてちしやのふるまひをせずして
J09_0119A15: 上人の曰・聖道の悟は・智慧を窮めて生死をはなれ・
J09_0119A16: 念佛は・愚癡にかへりて往生す云云・ぐちにかへれ
J09_0119A17: と云は・覺えたる事をわすれよとにもあらず・亦學問
J09_0119B18: すべからずと云にもあらず・自の智慧才覺を物だて
J09_0119B19: ず・唯た願力に身を任するをいふ也・明遍僧都の云・
J09_0119B20: 無智にぞありたき・上人の曰・學生骨になりて念佛
J09_0119B21: や失はんずらん・道元禪師の假名法語に曰・空阿彌
J09_0119B22: 陀佛の許へ・人來りて顯密の敎をとへば今はわすれ
J09_0119B23: たり・一字だも不覺といひて・終に不答・是れ道心
J09_0119B24: 者の龜鏡也・云云・空阿彌は明遍也・觀心は聖道の
J09_0119B25: 諸宗・何れも要とする事にて侍れども・彌陀本願の
J09_0119B26: 行にあらず・故に淨土宗には是をも捨て・唯た稱名
J09_0119B27: の一行を至要とする也・觀經の十三觀を善導大師は・
J09_0119B28: 念佛の助とし・唯だ稱名の一行を以て・正定の業とし
J09_0119B29: 給ふ・然阿の云・上人の御意・善導所立の念佛は・
J09_0119B30: 三心の外に・別の觀念なしと云事分明也・念佛の起
J09_0119B31: 行の中に・觀念を用ゐる義善導の御釋の中には見え
J09_0119B32: ず・云云・乘願上人の曰・ある人問うて曰・色相觀は
J09_0119B33: 觀經の説也・設ひ稱名の行人なりといふとも之を觀
J09_0119B34: ずへく候か・如何・上人答て曰・源空も初はさる徒

ウィンドウを閉じる