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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0118A01: 時猶豫のある也・是は志の深きより起る疑也・此人
J09_0118A02: は漸漸に惡もやみ・念佛の數もすすむ故に・古人此
J09_0118A03: 疑を・にくからぬ疑といへり・さりながら・是程の
J09_0118A04: 疑もなく信心歡喜ならんは・いよいよ好むところ也・
J09_0118A05: 上人の曰・悅ふ心未た發らずは悅び習ふべし・云云
J09_0118A06: 永觀律師の歌に
J09_0118A07: 古にいかなる契ありてかは
J09_0118A08: 彌陀につかふる身と成りにけん
J09_0118A09: 湛空上人の歌に
J09_0118A10: 六の道いくめぐりして遇ひぬらん
J09_0118A11: 十聲一聲すてぬちかひに
J09_0118A12: 般舟讃に曰・自慶今身聞淨土・不惜身命往西
J09_0118A13: 方・云云
J09_0118A14: 龍舒が淨土文に・一人を勸めて極樂に生ぜしむるを・
J09_0118A15: 一菩薩と名づけ十人を勸めて生ぜしむるを・大菩薩
J09_0118A16: と名づくと侍れば・一人になりとも・念佛往生を勸
J09_0118A17: むべき事也・永觀律師の歌に
J09_0118B18: 皆人を渡さんと思ふ心こそ
J09_0118B19: 極樂へゆくしるべなりけれ
J09_0118B20: 又論の中に・彼此倶に沒するの敎あり・愚なる人の人
J09_0118B21: を化度せんとするは・方四十里の冰に・夜中に一升
J09_0118B22: の湯を灑くに・當分は冰の消ゆるに似たれども・翌朝
J09_0118B23: 是を見れば一升の湯ほど冰の多くなるの喩もあり・
J09_0118B24: 又雞を逼めて水に入るるの釋あり・自行玅宗に暗け
J09_0118B25: れば他を利するによしなしとも侍れは志には廣く衆
J09_0118B26: 生を利用せん事を思ひ・自利利他の爲に上輩の人と
J09_0118B27: 成らん事を求め萬事を抛て念佛せんも可ならん・淨
J09_0118B28: 土門の菩提心は・願は穢土に在て行は淨土にあり・
J09_0118B29: 惠心僧都の歌に
J09_0118B30: 我だにも先極樂に生れなば
J09_0118B31: しるもしらぬも皆むかへてん
J09_0118B32: 大智律師・始は往反生死の願を立て極樂往生を願ふ
J09_0118B33: 人を輕賤し給ひしが・重病を受け復本の後・志洪大
J09_0118B34: なれども・身自在ならざれば・利生心に任せざる事

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