浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0118A01: | 時猶豫のある也・是は志の深きより起る疑也・此人 |
J09_0118A02: | は漸漸に惡もやみ・念佛の數もすすむ故に・古人此 |
J09_0118A03: | 疑を・にくからぬ疑といへり・さりながら・是程の |
J09_0118A04: | 疑もなく信心歡喜ならんは・いよいよ好むところ也・ |
J09_0118A05: | 上人の曰・悅ふ心未た發らずは悅び習ふべし・云云 |
J09_0118A06: | 永觀律師の歌に |
J09_0118A07: | 古にいかなる契ありてかは |
J09_0118A08: | 彌陀につかふる身と成りにけん |
J09_0118A09: | 湛空上人の歌に |
J09_0118A10: | 六の道いくめぐりして遇ひぬらん |
J09_0118A11: | 十聲一聲すてぬちかひに |
J09_0118A12: | 般舟讃に曰・自慶今身聞淨土・不惜身命往西 |
J09_0118A13: | 方・云云 |
J09_0118A14: | 龍舒が淨土文に・一人を勸めて極樂に生ぜしむるを・ |
J09_0118A15: | 一菩薩と名づけ十人を勸めて生ぜしむるを・大菩薩 |
J09_0118A16: | と名づくと侍れば・一人になりとも・念佛往生を勸 |
J09_0118A17: | むべき事也・永觀律師の歌に |
J09_0118B18: | 皆人を渡さんと思ふ心こそ |
J09_0118B19: | 極樂へゆくしるべなりけれ |
J09_0118B20: | 又論の中に・彼此倶に沒するの敎あり・愚なる人の人 |
J09_0118B21: | を化度せんとするは・方四十里の冰に・夜中に一升 |
J09_0118B22: | の湯を灑くに・當分は冰の消ゆるに似たれども・翌朝 |
J09_0118B23: | 是を見れば一升の湯ほど冰の多くなるの喩もあり・ |
J09_0118B24: | 又雞を逼めて水に入るるの釋あり・自行玅宗に暗け |
J09_0118B25: | れば他を利するによしなしとも侍れは志には廣く衆 |
J09_0118B26: | 生を利用せん事を思ひ・自利利他の爲に上輩の人と |
J09_0118B27: | 成らん事を求め萬事を抛て念佛せんも可ならん・淨 |
J09_0118B28: | 土門の菩提心は・願は穢土に在て行は淨土にあり・ |
J09_0118B29: | 惠心僧都の歌に |
J09_0118B30: | 我だにも先極樂に生れなば |
J09_0118B31: | しるもしらぬも皆むかへてん |
J09_0118B32: | 大智律師・始は往反生死の願を立て極樂往生を願ふ |
J09_0118B33: | 人を輕賤し給ひしが・重病を受け復本の後・志洪大 |
J09_0118B34: | なれども・身自在ならざれば・利生心に任せざる事 |