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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0117A01: て候・凡そ現世後世の御勤・何事か是に過き候べき
J09_0117A02: やと書給へり・又念佛の行者は殊更に此世の事を・
J09_0117A03: 餘尊餘佛に祈らずとも災難も自ら免るべし・觀念法
J09_0117A04: 門に多くの經を引て・五種の增上縁を釋し給ふ・阿
J09_0117A05: 彌陀佛を念ずれば・無量壽如來觀音勢至等・行者の許
J09_0117A06: に來至し・隨逐影護し給ふ一切の諸天龍神八部も・來
J09_0117A07: つて擁護す・故に惡鬼邪神・惱亂する事あたはず・
J09_0117A08: 又十方恒沙の佛も共に來つて護念し給ふ故に一切の
J09_0117A09: 災障自然に消散す・又阿彌陀佛・光明を以て・遙に念
J09_0117A10: 佛の人を照し光の中に攝取して捨て給はず・大經に
J09_0117A11: 云・遇此光者・三垢消滅・觀念法門云・彼佛心光・
J09_0117A12: 常照是人・攝護不捨・總不論照攝餘雜業行者・般
J09_0117A13: 舟讃云・不爲餘縁光普照唯覓念佛往生人・云云
J09_0117A14: 彌陀の光明餘行の者を照さずと云ふは・照益なきを
J09_0117A15: 以て不照に屬する也・色光の照すを遮するにはあら
J09_0117A16: ず・光明遍照十方世界の心を上人の御歌に
J09_0117A17: 月影のいたらぬ里はなけれとも
J09_0117B18: 詠むる人の心にぞすむ
J09_0117B19: 念佛の行者に・廢立助正傍正の三の機あり・三つの
J09_0117B20: 中に於て廢立を正とす・廢立の機と云ふは・一向專
J09_0117B21: 修の行者也・又廢立の機に二人あり・一人は本尊を
J09_0117B22: も所持せず・香花等をも供養せず・常に西に向つて念
J09_0117B23: 佛す・賀古の敎信が類の如し、又一人は本尊を安置
J09_0117B24: し、禮拜供養等をもなす、然れども・廢立の機の人
J09_0117B25: は・能助所助の思なし・助正兼行の機の人は・讃歎供
J09_0117B26: 養等・能く念佛を助くるといふ思ひある也
J09_0117B27: 又淨家に安心の疑・起行の疑と云事を談ず・安心の
J09_0117B28: 疑は三心闕くる故に往生を遂けず・起行の疑は三心
J09_0117B29: 少けざる故に往生を遂ぐる也・起行の疑と云ふは佛
J09_0117B30: の本願をも疑はず名號の功德をも疑はず・具縛の凡
J09_0117B31: 愚も名號を唱ふれば往生すと信じ・念佛を申しなが
J09_0117B32: ら・時時我身をかへりみれば・惡は息むれども息み
J09_0117B33: がたく・念佛は心の駒に鞭うてども進まず・あまりに
J09_0117B34: 心拙き故に・かかる身にても・往生すべきやと・時

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