浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0117A01: | て候・凡そ現世後世の御勤・何事か是に過き候べき |
J09_0117A02: | やと書給へり・又念佛の行者は殊更に此世の事を・ |
J09_0117A03: | 餘尊餘佛に祈らずとも災難も自ら免るべし・觀念法 |
J09_0117A04: | 門に多くの經を引て・五種の增上縁を釋し給ふ・阿 |
J09_0117A05: | 彌陀佛を念ずれば・無量壽如來觀音勢至等・行者の許 |
J09_0117A06: | に來至し・隨逐影護し給ふ一切の諸天龍神八部も・來 |
J09_0117A07: | つて擁護す・故に惡鬼邪神・惱亂する事あたはず・ |
J09_0117A08: | 又十方恒沙の佛も共に來つて護念し給ふ故に一切の |
J09_0117A09: | 災障自然に消散す・又阿彌陀佛・光明を以て・遙に念 |
J09_0117A10: | 佛の人を照し光の中に攝取して捨て給はず・大經に |
J09_0117A11: | 云・遇此光者・三垢消滅・觀念法門云・彼佛心光・ |
J09_0117A12: | 常照是人・攝護不捨・總不論照攝餘雜業行者・般 |
J09_0117A13: | 舟讃云・不爲餘縁光普照唯覓念佛往生人・云云 |
J09_0117A14: | 彌陀の光明餘行の者を照さずと云ふは・照益なきを |
J09_0117A15: | 以て不照に屬する也・色光の照すを遮するにはあら |
J09_0117A16: | ず・光明遍照十方世界の心を上人の御歌に |
J09_0117A17: | 月影のいたらぬ里はなけれとも |
J09_0117B18: | 詠むる人の心にぞすむ |
J09_0117B19: | 念佛の行者に・廢立助正傍正の三の機あり・三つの |
J09_0117B20: | 中に於て廢立を正とす・廢立の機と云ふは・一向專 |
J09_0117B21: | 修の行者也・又廢立の機に二人あり・一人は本尊を |
J09_0117B22: | も所持せず・香花等をも供養せず・常に西に向つて念 |
J09_0117B23: | 佛す・賀古の敎信が類の如し、又一人は本尊を安置 |
J09_0117B24: | し、禮拜供養等をもなす、然れども・廢立の機の人 |
J09_0117B25: | は・能助所助の思なし・助正兼行の機の人は・讃歎供 |
J09_0117B26: | 養等・能く念佛を助くるといふ思ひある也 |
J09_0117B27: | 又淨家に安心の疑・起行の疑と云事を談ず・安心の |
J09_0117B28: | 疑は三心闕くる故に往生を遂けず・起行の疑は三心 |
J09_0117B29: | 少けざる故に往生を遂ぐる也・起行の疑と云ふは佛 |
J09_0117B30: | の本願をも疑はず名號の功德をも疑はず・具縛の凡 |
J09_0117B31: | 愚も名號を唱ふれば往生すと信じ・念佛を申しなが |
J09_0117B32: | ら・時時我身をかへりみれば・惡は息むれども息み |
J09_0117B33: | がたく・念佛は心の駒に鞭うてども進まず・あまりに |
J09_0117B34: | 心拙き故に・かかる身にても・往生すべきやと・時 |