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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0112A01: 空ゆく月日法の燈
J09_0112A02: 了性上人は西山平等心院に入り自ら誓ひて受具す戒
J09_0112A03: 律の書を讀むこと數年也・明律の名世に顯はる・ある
J09_0112A04: 時行事鈔瞻病送終篇の・其の堂中に一の立像を置く
J09_0112A05: と云文を資持記に・彌陀を立つると云ふは心を歸す
J09_0112A06: るに處有りと釋し給ふを見・佛の御在世にすらなを
J09_0112A07: 西歸を專としたまふと不圖心づきそれより淨土の經
J09_0112A08: 論を考へ・ついに念佛の行者となり・槇尾をいでで・
J09_0112A09: 大和の國にくだり・法隆寺の北室院・興福寺の常喜
J09_0112A10: 院なとに住したまへり・此の二院古へのごとく・如
J09_0112A11: 法の律院となりしは・了性大德の住持よりこのかた
J09_0112A12: 也・晩年鵤寺の北・極樂寺の舊跡に・蝸廬を結んで住
J09_0112A13: せり・今に四遠の道俗小き百八の數珠をもち・六字
J09_0112A14: を分明に唱ふる者多きは西岸・了性・唯稱・良乘・
J09_0112A15: 此の四人の・勸化の殘芳なり・唯稱初ノ名覺運諱ハ知空、良乘、諱ハ入玄、二人共、元一
J09_0112A16: 向宗ノ學生也、遁世而成持戒念佛之僧・入於良澄上人室常隨又延寳の比・知恩院萬無上
J09_0112A17: 人・洛東獅子が谷の・祖師の舊跡を再興して・法然
J09_0112B18: 院と號す・法式を定めて・不斷念佛六時禮讃を行せ
J09_0112B19: しむ・晝夜隙なく相續して・淨業を修せよと也・衆
J09_0112B20: 僧總ては二粥一飯別きては志しあらん僧は別時道塲
J09_0112B21: の祖訓を守りて一食長齋すべしとあれば・當時〓〓
J09_0112B22: な齋戒念佛の僧共也・又元祖上人・果號之三字は衆德
J09_0112B23: 之根源萬善之玅體は名號の六字に即すと釋し給へば
J09_0112B24: 一一の文字に皆な萬德を含んで滅罪生善の功德あり
J09_0112B25: 浪に尊號を瀆慢すべからず・六字を訛畧すべからず
J09_0112B26: と制して・信阿上人に命じて・衆を領ぜしむ・今洛
J09_0112B27: 中の緇素の中に名號を六字正しく稱ふる者多きは・
J09_0112B28: 皆な獅子が谷に習ふて也・又淨土宗の人の中に文字
J09_0112B29: 正しく唱るを嫌ひ・是は壬生流なり谷流なり吉水の
J09_0112B30: 流義に背けり・黑谷の遺風に非ずと謗る人あり・何爲
J09_0112B31: ぞ惑へる・吉水鎭西の・片言念佛を・宗風としたまへ
J09_0112B32: る事いかなる證據があるや・關東にて時宗の僧ども
J09_0112B33: 集まり・えもみえほうと唱へしを了譽上人聞いて心
J09_0112B34: を痛ましめ給ひし事あり・病に依て、舌廻らぬ老僧の、六字を稱しが、えもみゑほうと、きこ

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