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J1320 吉水遺誓諺論 忍澂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0016A01: は智者學生の所爲なり。無智の男女の所作にはあら
J09_0016A02: ず。ゆめゆめふかく愼むべし。
J09_0016A03: 此諺論に初重の意を除て釋せざる事は。頃台門の隆
J09_0016A04: 長闍梨。一枚起請の但信鈔を著はされける草案を見
J09_0016A05: 侍るに。安心起行の勸め。やすく。すなほにして。
J09_0016A06: はなはだ詳らかなり。まことによく初重の意を盡さ
J09_0016A07: れたり。此上更に云べき事も侍らねば。かの但信鈔
J09_0016A08: にゆづりて。初重の釋をば除き侍るなり。
J09_0016A09: 今此諺論は。縁起より問辨に至るまで。詳かに釋しけ
J09_0016A10: るままに漸やく積で五卷に及べり。卷の多きは煩し
J09_0016A11: けれど。除疑生信の爲には。義の委しきを喜ぶべし。
J09_0016A12: 文の繁を厭ふことなかれ
J09_0016A13: ○今正く文を釋するに四重あり。此第二卷には一
J09_0016A14: 編五段の大意を畧釋し。第三卷には五段の文句
J09_0016A15: を詳釋し。第四卷には他宗問辨に釋し。第五卷
J09_0016A16: には背宗問辨に釋す
J09_0016A17: ○當卷は。一編五段の大意を畧釋す
J09_0016B18: 一枚起請文
J09_0016B19: 一枚起請は。圓光大師末期の極訓なり。普く念佛衆
J09_0016B20: 生のために安心起行の極要を示し。兼て他人背徒の
J09_0016B21: 僞濫の邪義を。ながく滅後末代に防ぎ玉へり。誠にこ
J09_0016B22: れ長夜の大明燈なり。行者ふかく尊重珍敬して。朝
J09_0016B23: に讀み。暮に拜し。骨に鏤ばめ。膽に銘じて。祖恩
J09_0016B24: を報じ奉るべし。但し此一編の本文は。もと鎭西の
J09_0016B25: 聖光上人に付囑し玉へる平生の御法語なり。その法
J09_0016B26: 語の中に。更に起請の一段を書加へ玉ふのみが。正し
J09_0016B27: く遺誡の御本意なれば古より世人相傳へて。一枚起
J09_0016B28: 請文とは名けけるなり。昔し有人問て云く題は一部
J09_0016B29: の總標なれば。うち見るより。これは何事を記せる
J09_0016B30: 書なりとこそ。知らるる習なるに。ただ一枚起請と
J09_0016B31: 題しては。これ通名にして別題にはあらず。又誰人
J09_0016B32: の何事に。書ける起請とも聞えず。まして御臨終の
J09_0016B33: 顧命なる義も彰はれざれば。かたがた總標の題號と
J09_0016B34: は名けがたし。願くは義によりて題號を立て。講談

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