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随眠

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ずいめん/随眠

煩悩の異称、また存在はするが働いていない煩悩のこと。Ⓢanuśaya。惑、煩悩と訳されることもある。随眠の語は阿含経典に見出せない語であるが、アビダルマ論書では煩悩を意味する語として頻出する。『俱舎論』一九では、この語について部派によって定義が異なっていたことを示すが、その中で有部は随眠煩悩と同一のものとし、経量部はそれを眠っている煩悩とし、種子(Ⓢbīja)と理解する。有部の煩悩論はこの随眠を中心に形成され、六随眠からはじまり九十八随眠にいたるまでの詳細な考察が行われた。


【資料】『俱舎論』一九


【参考】西村実則『アビダルマ教学 俱舎論の煩悩論』(法蔵館、二〇〇二)


【参照項目】➡煩悩


【執筆者:石田一裕】