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院殿号

提供: 新纂浄土宗大辞典

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いんでんごう/院殿号

戒名に「院殿」の字がつく称号。院殿号の由来については、天皇と簡別するために「殿」を添えたという説(大雲啓蒙随録』初編一・二五)、寺院を建立して隠棲した人を貴称して法性寺ドノ・妙香院ドノ・月輪ドノというような俗語から法名として加えたという説(秦獄著・義応校補『法名義弁・法名字選』)がある。足利尊氏の「等持院殿」がその初例といい、将軍家の権威を高めるために「院」の字の下に「殿」を加えて「院殿」号とし、「等持院殿仁山じんさん妙義大居士」と号した。足利将軍・徳川将軍の歴代もこれを踏襲して武家の間に広がり、「院殿号」が「院号」よりも上位に位置されるようになった。徳川家康は「安国院殿徳蓮社崇誉道和大居士」と号し、大名家では院殿号の下に官位官職等を添えることもある。やがて寺院開基をはじめ社会的貢献のあった一般の人にも「院殿号」が授与されるようになった。寺院によっては、院殿号の授与には「院号授与規定」を定め、位勲またはこれに相当する国家社会に功労のあったものと規定している。


【参照項目】➡戒名院号


【執筆者:西城宗隆】