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要門

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ようもん/要門

浄土に通入する肝要の門の意。『観経十六観に説かれるそれぞれの行が、浄土に通じる要となるから要門という。弘願ぐがんの対。良忠の『伝通記』に「要とは肝要、門とは通入なり。謂く一一の行は各おの浄土に通ずる要なり。故に要門と云う」(浄全二・一二九下正蔵五七・五二三中~下)とある。これは『観経疏』玄義分の「娑婆の化主は、その請に因るが故に、すなわち広く浄土要門を開き、安楽の能人は、別意の弘願を顕彰したまう。その要門とは、すなわちこの『観経』の、定散二門これなり」(聖典二・一六二/浄全二・二上)に基づく。この要門における念仏諸行の関係、さらには要門弘願の関係について、良忠は『伝通記』玄義分記三や『東宗要』一の中で触れている。それによると、要門の定散には念仏を含み、その行業の上に仏願力が加わるのを弘願としている。そして、要門である定散二善を往生の行因とし、弥陀弘願往生正因とし、この因縁が和合することによって往生の果を得るとしている。西山派では行門・観門・弘願門を立て、そのうちの観門要門にあたる。真宗では要門真門弘願門を立て、念仏以外の諸行往生を願うのを要門としている。


【参照項目】➡弘願定善・散善


【執筆者:髙橋寿光】