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来迎阿弥陀

提供: 新纂浄土宗大辞典

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らいこうあみだ/来迎阿弥陀

右手を上方に、左手を下方に向け、それぞれ掌を前にして第一指と二・三・四指のいずれかをひね来迎印を結ぶ阿弥陀仏。『無量寿経』上(聖典一・二二七)に説く第十九願・来迎引接が図像成立の典拠とされる。法然は『逆修説法一七いちしち日で「凡そ仏像を造立するに種々の像あり、…皆往生の業なりと雖も、来迎引接の形像は尚その便宜を獲たるなり」と述べ、さらに「同じく仏像を造らんには来迎の像を造るべきなり」(昭法全二三五)としていることから、この印相を結ぶ阿弥陀仏をことのほか重要視していたことがわかる。平安時代後期になると阿弥陀信仰が盛んになるが、この時期以降の作例に多く見られる。古例では、奈良時代に造られた法隆寺伝法堂中の間木造阿弥陀三尊像(国重要文化財)などがある。


【参考】光森正士「阿弥陀仏の造像」(奈良国立博物館編『阿弥陀仏彫像』東京美術、一九七五)【図版】巻末付録


【執筆者:藤田直信】