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平信じの念仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ひらしんじのねんぶつ/平信じの念仏

ただ本願を信じて称える念仏のこと。『四十八巻伝』四七にみえる。証空に宛てて関東在住尊願津戸三郎つのとのさぶろう)から消息が届く。尊願は最初は法然勧化を受け、法然の滅後は証空に随従して教導を受けている。その消息の内容は、「私は念仏往生については、阿弥陀仏本願善導の釈文、法然勧化により、ただ念仏して往生を願っているのに、証空の勧めと申して、関東の学生(学者)の中に、無智の者では、つとめて念仏を申しても往生はできないと申す者がいます。このことについての確かな教示をいただきたい(趣意)」というものである。これに対して証空は文暦元年(一二三四)九月三日付で書いた返状に、「学問しない平信じの念仏往生しないということを、私が申していると宣伝されているようであるが、それは僻事ひがごとである。平に信じて学問をしない者も、また学問する者も、結局は同じく南無阿弥陀仏往生するのであって、両者は往生については全く同じである。それだのに互いに謗るということは、両者共に甚だしい間違いである(趣意)」と述べ、さらに同年一〇月一二日付で臨終に狂乱する者について、「他力本願を信じたならば、有智も無智も臨終には必ず皆往生する」と重ねて返状を送っている。


【執筆者:中西随功】