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五分法身

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ごぶんほっしん/五分法身

戒・定・慧解脱解脱知見(解脱の確認・自覚)という五つの性質を五分法身といい、蘊、五分、五支、五衆とも略称される。有情の体は有漏五蘊(色・受・想・行・識)であるのに対し、聖者(無学位阿羅漢・仏)は五分を順次成就し、五分を体とすることから、その体は無漏五蘊といわれる。初期仏典から大乗仏典まで広く見られる。仏道の本質をなす三学(戒→廃悪修善、定→精神統一、慧→真実眼)をその果報との関係において説いた基本的立場。原語にⓈasama-sama-pañca-skandhaがある。無比(asama)であり、過去諸仏と等しく(sama)、通常の者にはありえない五蘊(=五分pañca-skandha)を体とすることから「無等等五蘊」とも呼ばれる。仏地の五法を構成することでも知られる。


【参考】石川美恵『二巻本訳語釈—和訳と注解—』(財団法人東洋文庫、一九九三)、小谷信千代『法と行の思想としての仏教』(文栄堂、二〇〇〇)


【執筆者:中御門敬教】