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三論念仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さんろんねんぶつ/三論念仏

三論宗に属する人々の念仏観。中国三論宗の大成者である吉蔵は『観経義疏』で、念仏を①念仏法身諸法実相を念ずるような理の念仏)と②念仏生身(仏の三十二相光明などを念ずる事の念仏)の二種に分け、無量寿仏を念じるときは、如来相好光明を観じるから②であるとし、それをさらに但念仏と通念仏に分け、五種清浄果を念ずる通念仏を強調している。また、念仏三昧には、三毒三障をはじめとする一切の障を治める功能くのうがあることを指摘している。また三論系の浄土教者である永観は『往生拾因』を著して、特に至心に重点をおいた称名念仏の重要性を説いている。同じく三論系の浄土教者である珍海も『決定往生集』を著して、称名念仏正定業としながらも第二〇願の行と認定し、念仏諸行との併修を説いている。


【参照項目】➡永観珍海


【執筆者:大屋正順】