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「転経」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:29時点における最新版

てんぎょう/転経

一つの経典全体を読誦すること。広義では転読または真読ともいわれる。転読と真読の差異は、『翼賛』一三(浄全一六・二二〇下)によれば、文句を丁寧に読むことを真読あるいは信読といい、転とは転法輪の転に同じく、ただ読むことを転といい、略読をいうのではないとされる。また『高僧伝』一三(正蔵五〇・四一五中)によれば、中国では梵唄などの声明に対して、経を詠ずることを転読と呼ぶとされる。


【執筆者:石上壽應】


経典の一部を読誦すること。狭義での転読をいう。この「転」は翻す、移すの意。『大般若経』などの大部経典を読誦する際、巻毎の経題や初・中・後の数行を読み、あとは経巻を扇のように翻転して真読に擬すること。この儀式を転経てんぎんえ、あるいは転読会という。また大蔵経を転読、あるいは経蔵輪蔵を回転させることを転蔵という。善導法事讃』は、具名を「転経行道願往生浄土法事讃」(上巻、浄全四・一上)、「安楽行道転経願生浄土法事讃」(下巻、同・三二)といい、転経行道の実践行儀を明かしている。


【参照項目】➡法事讃行法


【執筆者:石上壽應】