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真言

提供: 新纂浄土宗大辞典

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しんごん/真言

真実のことば。Ⓢmantraの訳語。マントラは、すでに古代インドのヴェーダの時代、宗教儀礼において神々へのさまざまな讃歌・歌詞・祭詞、あるいは種々の呪術的な呪文として祭官により誦されていた。神々をも制する神秘的で聖なる力があるとみなされ、さまざまな願望を叶える祈りとされた。仏教次第に展開するなか受容され、とりわけ密教が重視した。空海の『般若心経秘鍵』は「真言は不思議なり、観誦すれば無明を除く。一字に千理を含み、即身に法如を証す」(正蔵五七・一二中)と説き、真言の神秘な力が煩悩を断じ、さらには即身成仏までをももたらすとする。


【参考】辻直四郎『インド文明の曙—ヴェーダとウパニシャッド—』(岩波書店、一九六七)、大法輪閣編集部編『真言・梵字の基礎知識』(大法輪閣、一九九三)


【参照項目】➡陀羅尼


【執筆者:袖山榮輝】