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「浅学相承・碩学相承」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:28時点における最新版

せんがくそうじょう・せきがくそうじょう/浅学相承・碩学相承

近世檀林における浄土宗侶の養成方法を、修学の深さの上から二段階に分類したもの。自行分の宗要に限定した相承を浅学相承、さらに学問を深めた者に化他の資格を与える相承碩学相承と称する。聖冏に始まる五重相伝の義軌が、聖観による改変を経て、室町末期からの戦乱の世情を鑑み、やむを得ず学業半ばにして帰郷せざるを得ない僧衆のために簡略化された。貞把存貞ならびに幡随意が討議し、まずは自行の宗要である五重のみを伝授(五重自証門伝)することとした。これを浅学相承という。具体的には、三巻七書を用いて講説する前四重を省略し、第五重と口伝のうちから自証に関わる部分のみを伝授するものである。これを修了しさらに研鑽を積んで修学一五年以上を経た者には、宗脈を伝授(宗脈化他門伝)し化他の資格を与えた。これを碩学相承という。浄土宗法度の規定によると碩学相承を受けなければ、他に円頓戒を授ける資格を得られなかった。


【参照項目】➡浅学衆・碩学衆


【執筆者:渋谷康悦】