散華 (さんげ)のソースを表示

=さんげ／散華=

==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">一</span>==
華を散らして仏を[[供養]]するときに唱える[[声明]]の一つ。「<ruby>願我在[[道場]]<rt>がんがざいどうじょう</rt></ruby>　<ruby>香華[[供養]]仏<rt>こうけくようふ</rt></ruby>」。願わくは、私はこの[[道場]]にあって香と花を仏に[[供養]]致します、との意。『[[金剛]]頂経』にあるとするが不詳。[[四箇法要]]の二番目に唱える曲。[[祖山]][[声明]]（天台系）の一つで、<ruby>呂曲<rt>ろきょく</rt></ruby>・<ruby>[[壱越]]調<rt>いちこつちょう</rt></ruby>・<ruby>出音徴<rt>しゅっとんち</rt></ruby>。[[四箇法要]]以外でも、<ruby>[[華籠]]<rt>けこ</rt></ruby>に入れた紙製の蓮弁型の華を撒きながら唱える。[[法要]]のはじめの導入部で唱えるが、[[知恩院]][[御忌]]では[[前伽陀]]・[[開経偈]]・[[阿弥陀経]]の次に唱えている。上・中・下段に分かれているが、通常は上段のみ唱え、下段は[[後伽陀]]として唱えている。中段は[[釈迦]][[散華]]（[[天地此界]]）ともいう。[[散華]]師は[[水冠]]を被らずに先に[[起立]]して[[句頭]]を唱え、[[式衆]]は「我」から[[起立]]して「場」より[[同音]]し、「供」の所定で[[散華]]して、「仏」のキリで着座する。旋律は[[伽陀]]に類似しているが、「ユリ」「ユリ上ゲ」「フ回シ」は高音で響くような唱え方をしている。
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【参照項目】➡[[天地此界]]<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">一</span>、[[散華]]
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【執筆者：西山精司】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">二</span>==
華を散らして仏を[[供養]]するときに唱詠する[[声明]]曲。初段・中段・後段の三節あるが、現在の[[増上寺]]（[[縁山]]流）の「[[散華]]」は初段と中段のみが伝承されている。[[法要]]の導入部で、<ruby>[[大鏧]]<rt>だいきん</rt></ruby>を[[縁山]]独特の方法で打ち鳴らして唱え、鈴を用いて予鈴で[[散華]]を採り、再び鈴を鳴らして[[散華]]する。初段は「<ruby>願我在[[道場]]<rt>がんがざいどうじょう</rt></ruby>　<ruby>香華[[供養]]仏<rt>こうけくようふ</rt></ruby>」と唱え、<ruby>[[黄鐘]]調<rt>おうしきちょう</rt></ruby>（基音Ａ音）<ruby>出音宮<rt>しゅっとんきゅう</rt></ruby>という高い調子の華やかな曲で、「ナヤス」「クイ切」という独特の唱法があり、[[同音]]中に三度、華を撒く。中段は「<ruby>[[天地此界]]多聞室<rt>てんちしかいたもんしつ</rt></ruby>　<ruby>逝宮天処[[十方]]無<rt>ぜいぐうてんしょじっぽうむ</rt></ruby>（王大[[沙門]]　尋地山林遍無等）」の偈に「香華[[供養]]仏」を継いで唱える。<ruby>[[壱越]]調<rt>いちこつちょう</rt></ruby>（基音Ｄ音）出音<ruby>徴<rt>ち</rt></ruby>の曲で、「三段上り」「シャクリ押」等の高度な技巧が用いられる奥伝とされる曲である。初段を「[[散華]]」、中段を「[[天地此界]]」と称している。
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【参照項目】➡[[天地此界]]<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">二</span>、[[散華]]
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【執筆者：廣本榮康】