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御回在

提供: 新纂浄土宗大辞典

ごかいざい/御回在

融通念仏宗ゆうずうねんぶつしゅう本山大念仏寺(大阪市平野区平野上町)から各末寺檀信徒の家々へ出向く行事。本尊である十一尊天得阿弥陀如来(掛軸)を奉持し、鉦を打ち鳴らしながら、河内(大阪府)・大和(奈良県)周辺の各末寺檀信徒の家々を巡回して、先祖の供養と家内安全や除災与楽を願い、身体堅固を祈禱する。これは宗祖良忍念仏勧進の姿を伝えたもので、寺誌によると御回在が明確な姿を持ってくるのは、三六世道和(—一六一八)からである。この法会の編成は、唱導師布教師説教師)一名、目代(本山役者の代理で本尊守護と勤行の責任者)一名、収納(寄進された浄財の管理者)一名、僧中(目代のもとで勤行に従事する)四名、そして在俗の禅門四名である。昭和三六年(一九六一)までは秋の彼岸から御出光(出立)していたが、現在は、春と秋それぞれに行われている。また大阪回在が六月二日から一一日になされる。


【参考】『法会(御回在)の調査研究報告書』(元興寺文化財研究所、一九八三)、日本仏教研究所編・田代尚光著『良忍上人と大念仏寺 日本仏教の心8』(ぎょうせい、一九八一)


【参照項目】➡大念仏寺


【執筆者:戸田孝重】